KAWASE BIIKI

ポスト・トルコリラとしてのルーマニアレイ

トルコリラの急落から早2ヶ月が経過しました。下落幅が大きかったこともあり、一生忘れられない思い出になった方も多いのではないでしょうか。私はこの業界にながくいますが、やはりこういったダイナミックな動きは興奮を覚える物です。そしてこうした通貨の急落を見つけることこそが、為替長期投資の意義であり、醍醐味であると感じています。

 

 

 

ということで、次のトルコリラを探す意味を込めまして、今後急落する可能性が高い通貨を紹介したいと思います。

今回見つけてきたのは、東ヨーロッパ・ルーマニアの通貨レウ(RON・複数形はレイ。この先は複数形のレイで表記を統一)です。

 

ルーマニア自体の知名度はそこそこありますが、その通貨を取引している方はきわめて稀だと思います。それでも金融庁登録のFX業者のなかで取引できる業者が複数(ドルストレート・クロスユーロが中心)あり、十分に検討価値がある通貨だと思っています。

 

ルーマニアレイの下落予想の理由としましては、トルコリラとの相似点があります。

トルコリラが下落した原因は、

 

トルコ

・実力   100

・生活水準 150

 

と実力に比べ生活水準が大幅に高くなっていたためと言うことが出来ます。先日の下落はこのギャップが修正された動き(このギャップを対外債務で埋めていたが、債券市場の流動性が減少したため、強制的に修正された。)ということになります。

 

これをルーマニアに当てはめてみますと、

 

ルーマニア

・実力    80

・生活水準 110

 

位のイメージで良いと思います。実力と生活水準のギャップはトルコほどではないですが、実力以上の生活をしているという点では同様の構図です。そしてルーマニアの問題点はこの先にあります。

実は、ルーマニアは、この状況にもかかわらず、最低賃金を大幅に引き上げているのです。2016年1月に230ユーロ程度だった最低賃金は、現在400ユーロを超えていて、2年半で1.7倍以上になっています。さらに、来年1月には7.9%の上昇が決まっています。この間に、生産性(実力)も向上しているため、すべてが悪い上昇というわけではないのですが、上昇幅が大きすぎることが問題になりそうです。つまり、実力の上昇幅よりも生活水準が改善幅が大きいため、実力と生活水準のギャップが広がってしまうということになります。

 

このような動きにより、経済指標が悪化しています。対外債務が増加、貿易収支・経常収支が悪化・インフレ率が上昇中と為替にとっての悪材料が並びます。これらの値には足下の賃金上昇は織り込まれてはいないと考えられ、今後ももう一段の悪化がが予想されます。

ルーマニアはリーマンショックが起こった2008年に経常収支が対GDP比−11.8%という、考えられないほど悪かった時期があり、通貨が35%程下落(対ユーロ)したという実績があります。今回は経済収支がそこまで悪化するとは考えていませんが、ユーロが割安水準を維持していることもあり、ユーロが急上昇した場合などに、大幅に下落する可能性は高いと思っています。

 

 

 

ルーマニアの経済指標は悪化していますが、まだ、トルコほどではなく、多少の余裕があるように見えます。また、かなりマイナーな通貨と言うこともあり、投機的な動きで大きく売られることもないと考えています。そうなりますと、実際に下落するのは、来年か再来年、はたまたもっと先という相当長期な話になりそうです。

今回紹介したルーマニアレイの他にも、大幅な下落が予想される通貨はあると思われます。今後も、機会がありましたら紹介していきたいと考えています。

 

| コラム | 13:41 | comments(0) | trackbacks(0) |

ニュージーランドドルの取捨選択

為替市場はややリスクオフの展開となっています。特に材料がない中で日本円が弱めの全面高といったところでしょうか。昨日の新興国通貨の下落のようなこともあり、気の抜けない状況です。

そんな中、オセアニア通貨が弱い動きになっています。特に、ニュージーランドドルは中長期的に下値を切り下げる動きで、今後の動きが注目されます。

 

 

ニュージーランドドルがなぜ下落しているのかと言いますと、アメリカFRBのバランスシート縮小をはじめとする、主要国の金融政策の緊縮化があります。ニュージーランドは債務水準が高く、対外債務比率が多いため、債券市場が緊縮化するような環境では為替が下落しやすくなります。また経常収支の赤字幅も大きくなっていて、輸出産業で稼ぐことが出来ていないのも悪材料です。

 

高い対外債務水準と大幅な経常赤字といいますと、トルコを思い出す方もいるかと思いますが、ニュージーランドの水準はトルコほどは悪くありません。また、債務の多くは民間債務のため、国債格付けが高く、低インフレ・自国通貨建てということもあり、一気に資金が抜けることはないかと思われます。

 

それでは、今後のニュージーランドドルの値動きがどうなるのかと言いますと、私は下落すると予想しています。

理由はいくつかあるのですが、ひとつはアメリカの短期・長期金利の上昇です。ニュージーランドはキャリートレードやイールドハンティングといった金利を狙う投資家の投資対象です。世界的な低金利の中では、高国債格付けを持つニュージーランドの金利は需要が高かったのですが、このところのアメリカの利上げが続く中で、ニュージーランドの1.75%という政策金利は魅力が薄れていくと考えられます。

二つ目の理由は、原油価格の上昇です。ニュージーランドは、原油の輸入割合が高い国の一つで、原油価格の上昇は為替にとっては、マイナス材料になります。このところの原油高は確実に貿易収支・経常収支の悪化を招くと思われます。

さらに、中国経済もニュージーランドドルに影響を与える可能性がありそうです。ニュージーランドは、中国との直接の貿易額が大きい他、隣国オーストラリアを通じて、経済で深い関係を持っています。中国の経常収支の黒字幅が縮小する中で、特に貿易面でどのような変化を見せるのか注意していきたいところです。

 

このように悪材料が並んでいるのですが、実際にニュージーランドドルを取引する際には、上昇する可能性もあります。実は、投機筋のIMM通貨先物のニュージーランドドルのポジションは、過去最高水準の売り越しとなっています。つまり、ニュージーランドドルはすでに売られていることになります。ニュージーランドドルはこのIMMポジションとの関連はそれ程高いものではないのですが、結構大きめな量で、売りポジションが積み上がっているため、この巻き戻しは常に警戒する必要はありそうです。

 

 

 

各国の金融政策が動く中で、債券市場の動きや金利が、為替の動きを予想する上での重要度を増しています。こういった物は短期ではなく、より長い期間の値動きに影響を与えるため、目先の動きとらわれず、じっくりと幅広く、見定めていくことが、ただしい予想をする鍵となりそうです。ニュージーランドドルだけではなく、新興国通貨を予想する場合にも、主要国の金融政策は影響が大きいため、常に情報収集を怠らないようにしたいものです。

 

| コラム | 14:22 | comments(0) | trackbacks(0) |

為替予想2018年 9月

【為替予想2018年 9月】

半年〜1年程度の期間の為替予想です。

 

★大きく上昇 △ロシアルーブル
★上昇 ・日本円 ・ユーロ ・ノルウェークローネ
★中立 ・オーストラリアドル ・ポーランドズロチ ・アメリカドル
・ブラジルレアル
★下落 ▼中国人民元 ・イギリスポンド △トルコリラ
・南アフリカランド △カナダドル ・メキシコペソ
★大きく下落 ・ニュージーランドドル

 

・大きく上昇   半年〜1年で、実質実効為替レートが   +15%  〜
・上昇   半年〜1年で、実質実効為替レートが    +5%  〜  +15%
・中立   半年〜1年で、実質実効為替レートが    - 5%  〜   + 5%
・下落   半年〜1年で、実質実効為替レートが    - 5%  〜   - 15%
・大きく下落   半年〜1年で、実質実効為替レートが    -15%  〜

 

(△)は、前回の予想と比べ、予想を改善させた通貨。

(▼)は、前回の予想に比べ、予想を悪化させた通貨。

 

★想定環境

・世界的に経済は好調。特に米国経済は加速する可能性が高い。

・原油価格は、1バレル=65ドル〜90ドル。場合によっては、100ドル超も考える必要があり。

・その他の資源価格は特に大きく動かず。

・金融政策は、世界的に緊縮化、米国の利上げ・バランスシート縮小は順調に予定通り進む。ECBも同様。

・世界的に物価上昇が加速。新興国や資源国を中心に対外債務も増加する。

・欧米の年度明けからは、債券市場の緊迫化が解消しているため、新興国通貨の急下落はひとまず回避かもしれません。まぁ時間稼ぎのような気もしますけれど・・・。

 

 

米国ドルが、割高ではあるけれども上昇も見込める水準という、上下どちらにも動ける厄介な状態なっています。それを受け、その他の通貨の予想がやりにくい環境であると感じています。

 

比較的相場が見えているのが、産油国通貨でしょうか。原油価格の上昇高止まりを受け、足下で堅調な動きです。特に、ロシアやノルウェーは経常黒字国であるため、ここからの原油価格上昇はそのまま為替の上昇要因になりやすいと考えられます。ロシアルーブルは新興国通貨の下落の影響を受け、8月までに大きく下落しているため、ある程度の値幅は狙えそうです。

 

主要国通貨では、日本円やユーロがやや割安水準ですが、値動きは乏しいと思われます。むしろ米国ドルが上昇する展開になれば、小幅下落すす可能性もあり、ポジションが取りにくいのが実情でしょう。米国短期金利の上昇を受け、キャリートレードやイールドハンティングといった、金利を狙うトレードの対象が新興国から米国に移っている雰囲気もあり、新興国通貨内での序列も見えにくくなりそうです。

 

8月に大きく下落した新興国国通貨では、トルコリラの評価を上げましたが、これは大きく下落したため、下値の余地が縮まったという意味です。もう一段落の下落はあり得ますが、タイミングが難しいところ。南アフリカランドも同様ですが、こちらの方が原油価格に対する影響が大きいため、意外と大きな下落もあり得るかもしれません。

 

 

 

全体的に難解な展開。米国ドルの上昇が続く限りは、他の主要国は動けず、かといって相場全体ではリスクオンの様相のため、新興国の下落も限定的かなと感じます。相場に織り込まれていない材料は、足下の原油価格ぐらいのようなので、その辺りを中心にトレードするのが基本線だと考えています。

 

 

 

★トレードアイデア

・USD/RUB S

・GBP/NOK S

 

狙い目の原油輸出国通貨、ロシアルーブル・ノルウェークローネの「買い」が安定したポジションになりそうです。相手は難しいですが、米国ドル・イギリスポンドまで。

産油国通貨以外で買い目を探したいところですが、アイデアが出てきません。下落の可能性が高いニュージーランドドルあたりを相手に「NZD/JPY S」辺りに注目していきたいところです。

 

 

| 為替予想 2018_9 | 11:12 | comments(0) | trackbacks(0) |

2018年8月10日のトルコリラ下落を考察する

8月10日にトルコリラが大きく下落しました。

この理由を考察します。

 

今回の下落に関しては、

問1 「なぜ、トルコリラは下落しているのか。」

問2 「なぜ、2018年はトルコリラの下落幅が大きいのか。」

問3 「なぜ、2018年8月10日にトルコリラが大きく下落したのか。」

の三つに分けて解説していきます。

 

本題に入る前に「通貨と物価」の関係についておさらいしておきます。

「通貨は、物価が上昇すると下落し、逆に物価が下落すると、通貨が上昇する」という関係があります。これは、(需給が変化せず)物価が2倍になった場合に、通貨側から見た場合、通貨の価値が半分になっていると考えれば分かり易いと思います。

 

このように通貨は、自然と価値が変動してしまうため、その価値を保存することが困難になります。そのため、物価変動分の利息を付与することによって通貨の価値の保持を可能にしています。つまり、インフレ率10%の通貨に10%の利息を付与することで価値を保存させるということです。これは、「インフレにより通貨そのものの価値が10%下落するけれど、利息を10%付与することで、その穴埋めをしてくれますよ。」という意味です。

 

このような仕組みが備わっているため、為替取引という視点で見た場合では、

「高金利通貨も低金利通貨も存在せず、全ての通貨は損得のない対等な関係である」

ということになります。これは為替の基本のひとつになります。

 

超長期(数十年)単位でトルコリラの下落が続いているというのは、トルコは長年にわたりインフレ率が高い状態が続いているからです。ただし、このところのトルコリラは、このインフレ率を調整したレートで見た場合でも、価格の下落が続いています。これは、為替に物価以外の価格変動要因が関わっているためです。今回はその辺りを解説していきたいと思います。

 

 

 

それでは本題に入ります。

まず、一般的な資金の流れを単純化して、貿易と投資の2種類とし、以下のように分けます。

 

★貿易

・入ってくる資金   嵳⊇弌

・出ていく資金   ◆嵳入」

 

★投資

・入ってくる資金  「海外からの投資」

・出ていく資金   ぁ岾こ阿悗諒嶌僉

 

トルコの場合、貿易赤字国のため、 嵳⊇弌弑盂曚茲蠅癲↓◆嵳入」金額の方が大きく、その貿易赤字を穴埋めしてきたのが、「海外からの投資」になっています。この海外からの投資は、トルコ国債や企業の社債、為替市場(FX)からの流入などがあります。

「海外からの投資」は基本的には債務のため、いつかは返さなければならないお金です。現状ではこの債務が増え、「入ってくる資金」と「出ていく資金」がつり合っているため、実質的にはトルコに資金が入っていない状態になっています。(2009年頃から投資資金は飽和していると推測されます)

 

トルコの貿易を見ていきます。

トルコは輸出産業は、自動車・自動車部品・機械機器・貴金属・衣料品・鉄鋼・食品などで、輸出先はEU圏内が5割を占めます。

また、サービス業として、観光による外貨獲得の割合が高いのが特徴になっています。

 

輸出量は伸びているのですが、伸び悩んでいます。

その理由としましては、

1.トルコ国内での人件費の高騰。

2.ECBの量的緩和に伴うユーロ安。

3.ハンガリー・チェコ・スロバキアといった東ヨーロッパ圏の国々との価格競争の激化。

4.2014年頃からの、テロやクーデター未遂による治安イメージ悪化からの観光収入の大幅減少。

等があります。

 

一方の輸入品は、機械機器・鉱物燃料・電気機器・自動車・自動車部品・鉄鋼・プラスチック製品などとなっています。

こちらは増加しています。

輸入が増加した背景には、

1.人口の増加(特に若い消費者の人口)。

2.エネルギー資源価格の高騰。

3.政府の経済政策による消費の活性化。

等が考えられます。

 

特に「3」については、GDP成長率がプラスに働くため、為替の上昇を連想させますが、実際には輸入が増加するため、為替を下落させる効果があります。「経済が成長することは、為替にとって上昇材料ではない。」ということは覚えておく必要があるでしょう。

 

トルコの貿易で興味深いのは、輸出は(米国ドルベースでも)増加しているにも関わらず、輸入がより速く増加したため、貿易赤字が増加しているという点です。

この辺りについては、トルコの国内政治にも関わるため難しいのですが、ちょっと「国民に贅沢させすぎてしまったな」位のイメージで良いと思います。

 

つまりトルコは、 嵳⊇弌廚伸び悩み、◆嵳入」が増加、「海外からの投資」はすでに飽和状態で、利払いの増加からぁ岾こ阿悗諒嶌僉廚増加している、という全方位で通貨が下落しやすい状態であったということです。特にトルコの場合は、貿易の赤字幅がかなり大きく、海外からの投資資金で賄いきれなくなるのは明らかでした。トルコリラの下落は必然と言うことになります。

 

ここまでが、問1 の「なぜトルコリラは下落しているのか。」の答えになります。

 

 

 

それでは、問2 「なぜ2018年はトルコリラの下落幅が大きいのか。」ですが、

これは、主要国中央銀行の金融政策が緊縮化したことによって、金融市場に入ってくる資金が減少しているためとなります。

 

2017以降の主要国中央銀行の金融政策を見てみますと、

 

・米国FRB 政策金利の引き上げ6回(計1.5%)

       バランスシートの縮小(3ヶ月ごとに縮小幅を拡大)

・欧州ECB 債券の買い入れ額の縮小      

・日本日銀  債券の買い入れ額の縮小

       長期金利目標の柔軟化

 

と金融政策が緊縮化しています。

リーマンショック以降、主要国の中央銀行は金融政策を緩和的にし、金融市場に資金を供給してきましたが、この供給量が減少したり、引き揚げられているといった格好です。米国FRBのバランスシート縮小だけをみても、現在までに2000億米国ドル(22兆円)以上の資金が金融市場から引き揚げられていて、影響は大きくなっています。

 

金融市場に流入する資金が減少するため、当然金融商品の価格は下落しやすくなります。

特にこういった状態では、信用力の低い金融商品から順に、買い手がいなくなるため、トルコへの投資、トルコ側から見た場合の「海外からの投資」が大きく減少することとなりました。トルコリラはこの動きを受け、下げ幅を広げることとなりました。

アルゼンチン国債や仮想通貨が、昨年後半辺りからさえない動きになっているのも、同じ理由になります。

 

 

 

そして、問3 「なぜ2018年8月10日にトルコリラが大きく下落したのか。」といいますと、

これは、

・日本のお盆休み前で、欧州のバカンスシーズンで流動性が乏しかった。

・欧州金融機関におけるトルコへの融資の問題のニュースが流れた。

・米国の経済制裁。

と悪い条件が重なったためです。

 

ただ、実際のニュースは何でも良かったのだと思います。今まで解説してきたような理由のため、トルコリラは大きな下落を必要としていました、理由はいくらでも付けられたのです。現実では流動性が低くなるタイミングで下落するという、自然な動きになったということになります。

 

 

 

このように、トルコリラが下落した要因は複合的なものでした。一番影響が大きかったのは、主要国の金融政策の変更だと思われますが、本質はトルコの産業の弱さであり、海外からの資金に依存した経済システムが限界を迎えたのだと思われます。

貿易の強さが確立していない新興国通貨が、主要国の金融政策の緊縮化から下落するというのは、1990年代にアジア通貨危機がありますが、今回も同様のケースとみています。海外からの資金に依存した新興工業国が陥りやすい罠に、トルコも見事に嵌ってしまったのだと思われます。

 

今後のトルコリラの動きになりますが、今回急激な動きを見せたため、しばらくは不安定な動きが続くのではないかと思われます。しかし、そういった動きは意味のあるものではありません。

トルコリラにはまだ割高感が残っており、さらに主要国の金融政策の緊縮化はこれからも加速するため、中期的に下落すると予想します。トルコの輸出競争力の回復には、もう一段階・二段階の人件費の下落が必要になります。トルコリラが安定した動きを見せるのは少し先の話になりそうです。

 

 

 

その他の通貨の最新予想は→→ 「為替予想2018年後半」

 

ご意見ご感想質問等を、コメント欄またはtwitterでお待ちしております。是非ご利用ください。

 

 

| コラム | 09:18 | comments(0) | trackbacks(0) |

実質実効為替レート2018年6月

2018年6月の実質実効為替レートです。
    2018.6   2017.12比
・ アジア・オセアニア
   日本円 【JPY】       74.9 1.9%
   オーストラリアドル 【AUD】 103.8 -2.2%
   ニュージーランドドル 【NZD】 105.1 0.2%
   中国人民元 【CNY】 128.3 3.8%
  
・ ヨーロッパ・その他
   ユーロ 【EUR】 96.5 1.4%
   イギリスポンド 【GBP】 86.7 0.3%
   ノルウェークローネ 【NOK】 92.1 5.2%
   ロシアルーブル 【RUB】 102.0 -4.1%
   ポーランドズロチ 【PLN】 99.7 -2.5%
   トルコリラ 【TRY】 80.1 -9.9%
   南アフリカランド 【ZAR】 87.6 1.1%
 
・ 北アメリカ・中南米
   アメリカドル 【USA】 107.8 5.6%
   カナダドル 【CAD】 94.1 -1.8%
   メキシコペソ 【MXN】 76.7 -4.0%
   ブラジルレアル 【BRL】 97.0 -1.5%
 
データ期間 1994年1月〜
データ期間中の平均値を100とする。
元データはBIS国際決済銀行から。

 

 

2018年上半期の為替動向は、主要通貨が軒並みプラス、新興国・資源国通貨がマイナスと明暗がはっきりした動きになりました。値動きがおおきかった印象もありますが、全体としては小幅な動きにとどまっているようです。

 

上昇した通貨で目立つのは米国ドルです。5%を超える上昇を見せました。年初は弱い動きでしたが、3月頃から値を押し上げています。その他ユーロ・日本円・ポンドと人民元といった規模の大きな通貨も価格を上昇させています。

下落した通貨で目立つのは、やはりトルコリラでしょう、ほぼ1割の下落となります。主要国へ資金が流れる環境では、信用力の低い通貨は下落しやすくなります。ロシアルーブル・メキシコペソも、やや大きめな下落となりました。

 

 

| 実質実効為替レート | 09:01 | comments(0) | trackbacks(0) |

為替予想2018後半 まとめ

為替予想 2018後半

 

★強い ・なし
★やや強い ・日本円 ・ユーロ ・ノルウェークローネ
★中立 ・オーストラリアドル ・中国人民元 ・ロシアルーブル
・ポーランドズロチ ・アメリカドル ・ブラジルレアル
★やや弱い ・イギリスポンド ・南アフリカランド ・メキシコペソ
★弱い ・ニュージーランドドル ・トルコリラ ・カナダドル

 

 

★想定環境

・世界経済は堅調、経済成長は低成長も、失業率の下落が続く、ただし、ここまで程の勢いはない。

・原油価格は、WTI1バレル=65〜85ドルまで上昇。

・その他資源価格には大きな変動はない。

・アメリカFRBの利上げは2回、バランスシートの縮小は予定取り行う。ECBの量的緩和縮小も、予定通り行われる。

・イギリス・カナダの利上げが行われる。

・株式市場は上値の重い展開。資金流出が多い国では下落もある。

・債券市場は、全体的に価格が下落、金利が上昇する。

・中国で信用収縮が強まる他、世界中で不動産価格の上昇が弱まり、一部不動産の上昇が大きかった地域では、下落が進む。

 

 

下半期の大きなテーマは2つです。一つ目は、主要国中央銀行の金融政策の緊縮化です。アメリカFRB、ヨーロッパECBを中心に、金融政策の緊縮化が予定されており、これにより世界的に金融市場の流動性が減少することが予想されます。信用力が低い金融商品を中心に値を落とす可能性があります。またそういった商品が高レバレッジで保有されていた場合、売りが売りを呼ぶ展開になり、価格が急落することも考えられ注意が必要です。

もう一つは、足下で中国が通貨の切り下げを行うとの観測が出ていることです。中国人民元は、上半期は対米国ドルでは下落していたものの、実行レート(CFETS RMB INDEX)ベースでは上昇していて、中国当局も人民元高を容認していたと思われます。しかし、国内の資金の流動性が弱まったことを受け、通貨の切り下げ観測が出ているようです。実際先週の人民元の実効レートは下落しています。これはもう少し様子を見たい動きです。人民元の切り下げが続くとなれば、中国と関連が強い通貨を中心に影響がありそうです。

 

世界の経済状況は特に変化していないため、この半年で、なにかが起こるわけではないと考えています。どちらかというと、リスクオフ気味だけれど、値動きが無い状況というのが予想の中心です。そのため、各通貨の予想も中立のものが多くなっています。特に、ファンダメンタルズが良い通貨ほど、値動きが出にくいと思われます。

 

 

★トレードアイデア

・NZD/JPY S

・CAD/JPY S

・ZAR/JPY S

・EUR/TRY L

 

相場全体がリスクオフになりやすい環境のため、対リスクオフポジションを基本に。売りポジションは、ニュージーランドドル・カナダドル・南アフリカランド・トルコリラまで、イギリスポンドを入れるかどうかが迷うところ、買いポジションは日本円が最適と考えます。ユーロを買う場合は、ユーロの下落が終了し、上昇を確認できてからで良いでしょう。

トルコリラは、もしかしたら対ユーロで為替介入を行っている可能性があるため、そういった動きを見ながらの取引が理想となります。

 

| 為替予想 2018後 | 08:36 | comments(0) | trackbacks(0) |

ブラジルレアル(BRL) 為替予想2018後半

ブラジルレアル(BRL) 為替予想2018後半

 

★総評 【中立】

上半期大きく下落したブラジルレアルですが、ここからは、それ程大きくは下落しないかなとみています。もちろん足下では下落基調は続いているため、一度底値を確かめたいところ、上昇するのはもう少し先でしょうか。

2016年以降、ファンダメンタルズが大きく回復し、他の新興国資源国通貨と比較しても、良好な投資対象とみられます。ただ、米国経済への依存が高いため、米国ドルが高騰したり、米国へ資金が回帰している環境では、どうしても弱い値動きになりがちです。現在の相場環境はブラジルレアルにとっては厳しいものです。それでも、米国ドルが頭打ちになるようですと、上値の余地は残っているのではないでしょうか。もちろん産業構造が天然資源に依存している割合が高いため、そのあたりの価格変動リスクは考慮する必要はあります。

正直、現在のような、いつリスクオフが強まるか分からない相場環境でなければ、もう少し強気に予想しても良い通貨だと思っています。

 

 

★経済状況

ブラジル経済は回復局面ではあるのですが、弱い部分が残っている状態です。経済成長は小幅なプラス、失業率は12%台と高めな水準になっています。以前は二桁に乗せることもあったインフレ率が2%台で落ち着いてきています。

貿易指標は、貿易収支が黒字。経常収支は基調は赤字も、単季で黒字の月が出始めています。海外への利払いが多いブラジルで、経常黒字が出てきたということは、良い兆候と思われます。主要輸出品である、資源価格は鉱物資源は堅調も、食品資源価格は軟調な値動きとなっています。

債務関連では、政府債務残高はやや高めな水準も、民間・個人の債務水準は問題ありません。債務水準が2016年以降減少しているというのは、他の国にはあまり見られない現象です。

 

 

★金融政策

政策金利は下落局面も、6.5%と緊縮的な水準を維持しています。インフレ率が2.8%程度のため、利下げさせることは可能と考えられます。中央銀行の姿勢が分からないため、なんともいえませんが、為替が下落傾向にあるため、その辺りとの兼ね合いが難しいかもしれません。

 

 

★トレードアイデア

・特になし

 

基本的には、米国ドルが、下落傾向を示したときに、買いポジションを持ちたい通貨のため、今のタイミングではないと考えています。新興国通貨市場がクラッシュして場合などには、買いやすくなりそうです。

 

 

 

| 為替予想 2018後 | 08:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
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