KAWASE BIIKI

ひっそりと終わったオーストラリアの住宅バブル

為替市場は方向感があまりない展開。米国FRBの利上げが出来なくなるとの思惑から、米国ドルが弱くなるとみていましたが、欧州ECBも景気の先行きに懸念があるとして、大幅な金融緩和を維持する方針のようで、ちょっと先が見えにくくなりました。世界的に金融政策が緩和的になるようで、当面はリスクオンの市場環境が予想されます。

 

 

 

そんなよく分からない為替市場に隠れて、オーストラリアの住宅バブルがひっそりと終焉しています。

 

オーストラリアの住宅価格はリーマンショック後に高騰し、2012年から2017年間に1.5倍以上に上昇しました。元々都市部が少ないオーストラリアで移民の増加により人口が急増し、さらに中国などの海外からの投資が加わり、住宅価格をつり上げました。

この期間は世界的に住宅価格が上昇していた時期でもありますが、その中でもオーストラリア、特にシドニーやメルボルンは、所得に対する住宅価格が高く、バブルの懸念が高い地域であるとされていました。

 

2017年4月に海外からの投資の規制が入り、同時期に中国で海外への資金流出への規制が入ったことで、住宅価格が低迷を始めます。2018年は年間で4%以上の下落、2019年は下落幅が拡大し5%〜15%程度の下落が予想されています。

 

住宅価格の下落は個人消費に大きな影響を与えることになりそうです。オーストラリアの消費者は、貯蓄率が低く(元々消費志向が高いことに加え、住宅価格の高騰により、住宅ローンへの支払額が多い)、住宅を担保にした消費者金融が日常的に行われていました。

担保価値の下落により、消費者への貸出が減速、消費の減少が予想されています。実際に2018年後半は小売売上高の伸びが急減速していて、2019年は消費がマイナスになる可能性もありそうです。

 

また住宅ローンを貸出している金融機関にも影響があると考えられます。金融機関が急にバタバタと倒れるようなことは無いでしょうが、貸出基準の厳格化を通じ、企業の資金繰りなどへ影響を与えることになりそうです。

 

 

 

住宅価格の下落はオーストラリアだけではなく、お隣ニュージーランド、カナダ、北欧ノルウェー、スウェーデンの主に都市部で広がっています。ただ全ての地域を足しても、それ程の経済規模ではないため、世界経済への影響は限定的だと思われます。

しかし、リーマンショック後のクレジットサイクルで先端を走っていたのがこういった地域であったと考えますと、その他の地域でも今後同様のことが起こる可能性があり、注意しておく必要はありそうです。

 

 

| コラム | 09:53 | comments(0) | trackbacks(0) |

米国ドルの動き次第でどうにでも動く困った相場

年が明けてまだ1週間の為替市場ですが、ちょっと不安になったことがあったので、相場の動きのイメージを修正したいと思っています。ただしあくまでも年末のイメージの方がメインシナリオ、今回の考え方がリスクシナリオという立ち位置です。

 

 

年末の予想の時は、

「米国」「ファンダメンタルズが弱い国」

  ↓

「日本」「欧州」

といった感じに資金が移動するイメージしていました。

 

ただ、これでは資金の移動元と移動先で規模感が合わないという違和感がありました。経済規模もそうなのですが、日本円やユーロがそんなに上昇可能なのかという違和感でもあります。

 

そこで米国ドルが大きめに下落した場合は、

「米国」

  ↓

「その他の国」

となる可能性も検討したいと思いました。

 

米国ドルが下落するけれど、日本円やユーロはそれ程上昇せず、新興国資源国通貨が上昇する可能性もあるなと思ったのです。現在為替市場には、単独で大幅下落するような極端なファンダメンタルズの通貨がないため、規模が大きい米国ドルが下落した時に、他の全ての通貨が半ば強制的に、米国ドルと逆の動きになる可能性があるのではないでしょうか。

 

実はこういった米国から新興国・資源国に資金が動くというのは、リーマンショック前の2006年〜2008年頃までに見られた動きになります。当時も今も新興国資源国は若干弱めなファンダメンタルズの国が多いですし、FRBの金融政策の動向や世界的な経済状況を見ても当時と似た雰囲気はあるような気がします。

 

 

 

では実際の投資戦略はどうすれば良いかと言いますと、アメリカドルが下落しやすいと言うことは変わりないので、アメリカドルショートを基本と考えています。相手はユーロが無難でしょうか。ユーロドルの「買い」というシンプルなポートフォリオになります。

これは、米国ドルが弱いとか、ユーロが強いとか言いたいのではなくて、「米国ドルの動き次第でどうにでも動く可能性がある困った相場だよ。」といいたいのです。

 

ちなみにファンダメンタルズが弱い新興国資源国通貨が上昇した場合に、これを買うべきかといいますと、それは買う必要はないでしょう。リスクも高い状態が続いていますし、こういう場合は黙って見過ごして、これ以上上がらないよ助けてという悲鳴が聞こえたら、巨大なハンマーで上からたたき落とすというのが常套手段になります。むしろこういう展開になって欲しいという願望がどこかにあるのかもしれません。

 

 

 

今年の相場に関しましては、ボラティリティは高まるのだけれど、方向感が定まらない面倒くさい相場になるような気がしています。あまり予想に意固地になりすぎず、米国ドルが上昇する可能性も含め、臨機応変な対応が必要になりそうです。

 

 

| コラム | 08:49 | comments(0) | trackbacks(0) |

為替予想2019年前半  まとめ

【為替予想2019年 前半】

半年〜1年程度の期間の為替予想です。

 

★大きく上昇 ・なし
★上昇 ・日本円 ・ユーロ
★中立 ・オーストラリアドル △中国人民元 ▼ノルウェークローネ
▼ロシアルーブル ・ポーランドズロチ △カナダドル
・ブラジルレアル
★下落 ・イギリスポンド ・トルコリラ ・南アフリカランド
▼アメリカドル ・メキシコペソ
★大きく下落 ・ニュージーランドドル

 

・大きく上昇   半年〜1年で、実質実効為替レートが   +15%  〜
・上昇   半年〜1年で、実質実効為替レートが    +5%  〜  +15%
・中立   半年〜1年で、実質実効為替レートが    - 5%  〜   + 5%
・下落   半年〜1年で、実質実効為替レートが    - 5%  〜   - 15%
・大きく下落   半年〜1年で、実質実効為替レートが    -15%  〜

 

(△)は、前回の予想と比べ、予想を改善させた通貨。

(▼)は、前回の予想に比べ、予想を悪化させた通貨。

 

★想定環境

・世界経済は続伸継続も、主要国を中心に株価が軟調に推移。

・原油価格WTI1バレル=40〜50ドル。

・その他資源価格は大きくは動かず、貴金属がやや高騰。

・利上げを予定していた中央銀行が、利上げ予定を中止する。

(米国FRBの利上げは1回)

・米国FRBのバランスシート縮小は継続。

・米国国債のイールドカーブはフラット化が進む。逆イールドになるかは微妙。

・不動産市場は下落傾向を強める。

 

 

前回2018年9月の予想と比較しますと、産油国通貨を下落方向に修正した他は変化の少ない予想です。カナダドルは上昇修正していますが、もう一段階下評価でも良かった気がします。

 

とりあえずの予想のテーマは「世界的な金融政策の方向性の転換」でした。

最近まで金融政策といえば、緊縮化が主な議題っだったのですが、ここに来て金融政策が緩和的に動きそうな雰囲気。米国FRBの利上げ予想回が減少したほか、利上げを準備していた各中央銀行が、そうした動きを取り止め利下げの準備を始めました。

世界経済の減速感も強まってきていて、為替市場はややリスクオフの傾向が強まると見ています。そうなったらユーロや日本円は上昇しやすいかなぁ・・・。というのが予想のメインシナリオとなっています。

 

 

★トレードアイデア

・NZD/JPY S

・EUR/USD L

・EUR/GBP L

 

全体的に、新興国よりも主要国の方が動きが読みやすいとみています。オセアニア通貨は金融政策や国内経済を見ながら「売り」で、ユーロドルはとりあえず長期目線での保有、イギリスポンドや新興国通貨は一度上昇した後、モグラたたき感覚で上から叩くというイメージです。日本円とユーロの使い分けは適宜。「売る」方の通貨はもう少しバラエティに富ませて良いと思います。

 

 

本年もブログおよびtwitterをご覧くださり、誠にありがとうございました。

それでは良いお年を。

| 為替予想 2019前半 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) |

ブラジルレアル(BRL) 為替予想2019前半

ブラジルレアル(BRL) 為替予想2019前半

 

★総評【中立】

半年〜1年で、実質実効為替レートが  - 5% 〜  + 5%

 

ブラジルレアルは中立予想とします。予想自体が難しい通貨ではありますが、足下で決め手になる材料がないのも事実で、意外と安定するのかしれません。ファンダメンタルズは新興国通貨の中では良い方なのですが、まあまあ程度の水準。それでも相場全体がリスクオフになった場合には、資金流出が大きくなる可能性があり、買いでは持ちづらいと考えております。長期的にはどちらかというと上昇を予想します。

 

 

★経済状況

ブラジル経済は悪くはないけれど不安定な状況だと思われます。経済成長率はプラスを維持も、失業率が11%台と高い値となっています。4%台で推移しているインフレ率はブラジルにとっては低めの値です。

貿易指標は、貿易収支が黒字、経常収支は小幅赤字となっています。短期で値が上下していますが、数年単位で見ると改善傾向を示していて、これは悪くないと思います。貿易額も2016年に大きく落ち込んでからは増加傾向です。

債務については、民間・個人ともに問題のない水準、対外債務が高い水準を維持していることが不安材料となります。

 

 

★金融政策

2016年の高インフレに対応するため、一時14台まで上昇したブラジルの政策金利ですが、現在は6.5%まで下落しています。インフレ率も落ち着いていますがやや上昇傾向なため、とりあえずはこの水準を維持するのではないかと考えられます。

 

 

★トレードアイデア

・特になし

 

現状トレードを行う材料はありませんが、長期で見たらもう少し成長余地のある通貨だと思っています。

 

 

| 為替予想 2019前半 | 08:20 | comments(0) | trackbacks(0) |

メキシコペソ(MXN) 為替予想2019前半

メキシコペソ(MXN)為替予想2019前半

 

★総評 【下落】

半年〜1年で、実質実効為替レートが  - 5% 〜   - 15%

 

2018年は上下ありながら粘り強い動きを見せたメキシコペソは下落を予想します。突出して悪いわけではないのですが、現行水準も高め、ファンダメンタルズの先行きもあまり良くないと言うことで弱気に見ていきたい通貨です。新興国通貨のため、相場全体の動きにも左右されやすく、リスクオフな不安定な相場では売りが強くなる可能性もあり注意したいところとなります。

 

 

★経済状況

メキシコ経済は3%台の経済成長と、同じ3%台の失業率は悪くないのですが、インフレ率が4%台とやや高めに推移しています。貿易指標は、貿易収支・経常収支共に赤字で、直近はやや悪化傾向。赤字ではあるけれど対応不可能な数字ではないというのがメキシコの貿易の特長のような気がします。貿易量はここ1〜2年で急上昇しています。それと、一応産油国ではあるのですが、貿易に占める原油の割合は年々低下、原油価格の変動の影響は小さいと考えられます。

債務水準は、個人債務は問題なしも、民間債務は金額が急上昇しているのが気になるところです。対外債務は高水準が続いています。

 

 

★金融政策

メキシコ中銀はかなり極端な緊縮的な金融政策を実行しています。2016年にインフレ率が7%台まで上昇したため、それに対応するために、政策金利を上昇させました。その後インフレ率は徐々に落ち着いているのですが、利上げは続き、現在の政策金利は8.25%となっています。

今後の方向性は分かりませんが、インフレ率は低下傾向にあるため、緊縮的な金融政策に変化が見られるか要注目です。

 

 

★トレードアイデア

・MXN/JPY S

 

「売り」で見ていって良い通貨だとは思いますが、タイミングが難しいとみています。すぐに売るよりはもう少し経済指標の悪化を確認したいところです。または、一度大きく上昇してもらえれば売りやすくなると思っています。

 

 

| 為替予想 2019前半 | 08:17 | comments(0) | trackbacks(0) |

カナダドル(CAD)  為替予想2019前半

カナダドル 為替予想2018前よ

 

★総評 【中立】

半年〜1年で、実質実効為替レートが  - 5% 〜  + 5%

 

カナダドルは中立と言いますか、予想が難しい状態である思っています。現在水準は足下で下落している分も考慮するとほぼ適切、ファンダメンタルズの方向性もやや悪化方向も、中期で改善していただけにどうなるか判断が付きかねます。上昇する可能性は少ないとみていて、徐々に下落するか、現状維持水準ぐらいが妥当と考えています。

 

 

★経済状況

カナダ経済はしっかりとした状況。経済成長率は1%台、失業率は20年来の低さまで下落しています。2018年年央に一時3%まで上昇したインフレ率は足下では低下中、直近で個人消費が伸び悩んでいることが不安材料になります。

貿易指標は、貿易収支は小幅赤字、経常収支は赤字になっています。赤字幅は直近少し拡大しています。原油の輸出国であるため、この辺りの価格変動が2019年の指標には影響が出てくると考えられます。貿易量自体は輸出・輸入共に大きくなっています。

債務水準を見ますと、民間企業も個人も高い水準を維持、リスクが高い状態です。住宅価格の下落が始まったことも含め、オーストラリアの状況と酷似しています。対外債務は水準が高いことと金額がさらに伸びていることが問題になりそうです。

 

 

★金融政策

カナダ中銀は2017年から5回利上げを行っています。現在の値は1.75%となっていて、中立的な水準と思われます。信用の伸びとインフレ率の高騰を危惧しているようで、2019年以降も井揚を予定しています。足下でインフレ率が落ち着いてきたため、今後の方向性に変化が見られる可能性は高そうです。

 

 

★トレードアイデア

・特になし

 

将来的には下落目線で、短期的にそれ程下落する可能性はないと思っているのですが、落ち始めたらついて行った方が吉なのかもしれません。難しいところです。

 

 

| 為替予想 2019前半 | 08:13 | comments(0) | trackbacks(0) |

アメリカドル(USD) 為替予想2019前半

アメリカドル(USD) 為替予想2019前半

 

★総評【弱い】

半年〜1年で、実質実効為替レートが  - 5% 〜   - 15%

 

2018年は粘り強い動きを見せたアメリカドルは下落を予想します。現水準の割高感が強い中で、ファンダメンタルズの悪化、IMM通貨先物ポジションなど、下落させるための外堀は埋まった感があります。そうした相場環境の中で、利上げ期待が剥落すれば、一気に下落幅が拡大するおそれもあるとみています。

それでも、相場全体がリスクオフになった場合や、バランスシート縮小の動きから、新興国から米国への資金移動が続く場合は、現在水準での価格維持は可能性がありそうです。

 

 

★経済状況

米国経済はものすごく好調です。3%台の経済成長は先進国の中では高い水準、完全雇用の実現、2%程度の安定したインフレ率、最高益を更新する企業業績と世界中がうらやむ数字が並びます。

そんな中で心配されるのは、貿易指標の悪化です。貿易収支・経常収支共に赤字で赤字幅は拡大しています。好景気から消費が伸びたことで、直近の輸入が急上昇し、貿易収支の悪化の要因となったと考えられます。また金利が上昇したことで、利払いが増加していることも考えられます。

債務水準は金融機関の債務は問題ないのですが、企業債務のうち低格付けの債務残高が問題となっています。金利が上昇する局面でデフォルトが増える可能性が高まっています。また個人の債務は高水準、自動車ローンや消費者クレジットはこれ以上増やせない水準まで増加していると思われます。

 

 

★金融政策

米国FRBの2018年の金融政策は、4回の利上げとバランスシートの縮小(縮小幅の拡大が4回)という緊縮的なものとなりました。2019年も2回から4回程度の利上げが予想されていたのですが、足下で株価が急落していることで、こうした予想を見直す動きが出てきているようです。場合によっては1度も利上げできない可能性も考慮する必要がありそうです。しかし、バランスシートの縮小は粛々と進めていく方針のようですので、他国と比較しますと、相対的に緊縮的な金融政策になることが予想されます。

 

 

★トレードアイデア

・EUR/USD L

 

基本的には売りで見ていきたい通貨です。相手はユーロか日本円でしょう。上昇予想の通貨が少ないため、選択肢は少なくなります。株価が大きく動いているため、年初の動きがやや急になる可能性もあり注意したいところです。

 

 

| 為替予想 2019前半 | 08:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
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