KAWASE BIIKI

買いたい通貨・売りたい通貨2017・10

2017年も第3四半期が終了。一旦相場観などをまとめます。

 

世界経済は好調そのもの、新興国を中心に経済成長率が高く、世界的に失業率が下落するなど、世界的好景気といった様相です。

注意しなければならないのは世界的な債務水準の高さです。経済成長中の新興国で債務残高が増え、不良債権の増加が心配されます。先進国では、カナダやオーストラリアの債務水準(個人・民間企業)が危険水準にあり、なにかのきっけけがあった場合、金融機関の業績が著しく悪化する恐れがあります。

しかし、実際足下では、アメリカの株価も堅調のようなので、「バブルはまだまだまだまだ続きます。」というのが基本路線でしょうか。各国の中央銀行の金融政策も甘めなため、この景況感がしばらく続くのでしょう。次に金融危機とかバブル崩壊とか言われるのは1年以上先になりそうです。

 

為替に関しましては、基本的にはリスクオンの相場展開を予想。ユーロの上昇が一服し、全体的に材料不足の感があるため、年末にかけては動きが少ないと想定しています。

気になるのは、アメリカFRBのバランスシート縮小の影響です。アメリカドル買いの材料になると思います。規模的に大きいものでないですが、確実に相場に影響を与えることになりそうです。ただアメリカドルも、割高水準のため、買いで持つモチベーションは高くありません。

その他、材料になりそうなのは、原油価格の上昇でしょうか。原油価格がWTI1バレル=50ドル以上で安定してきたため、この辺を材料に為替予想をしていきたいところです。

 

 

▽買いたい通貨

 

★ロシアルーブル(RUB)

6月に弱気予想をした通貨ですが、「中立〜やや強い」位の評価へ上昇修正しました。当然原油上昇の恩恵を受ける通貨と言うことですが、水準的にはそれ程割安感はなく、どうかなといった雰囲気もあります。他の通貨(特に他の産油国通貨)の中で、買いやすい方かなといった印象です。

 

★日本円(JPY)

ユーロでも良かったのですが、あえて日本円で、中期的な安値水準と、直近の値下がりによって買うタイミングが北かなといった雰囲気です。下値は堅そうですが、上値も重い印象。原油価格の上昇もマイナス材料になり、注意は必要になりそうです。

 

 

 

▽売りたい通貨

 

★ニュージーランドドル(NZD)

カナダやオーストラリアと共に、債務残高の増加が心配されます。為替の水準が高いため、経常赤字が増加中、さらに(カナダやオーストラリアと異なり)原油価格の上昇も加わるため、中期的に厳しさが増してきそうです。まず個人消費に影響が出るでしょうから、その辺りの指標などを注視していきたいところです。

 

★トルコリラ(TRY)

ヨーロッパとの関係悪化から、経済が伸びきらない印象です。輸出が増えず、輸入が増加、経常収支が悪化傾向です。こちらもエネルギー資源輸入国であるため、原油価格上昇の影響が心配されます。

 

★イギリスポンド(GBP)

書くことがなくなったら、とりあえずイギリスポンドの売りを推奨して行くスタンスなので、とりあえず売っておけといった感じです。直近値上がりしたこともあり、タイミング的にも売りで入りやすいかなと思います。経常赤字が大きくなってきていて、現行の為替水準を維持するのが困難な状況です。まるで新興国のような扱いで申し訳ないですが、ここから弱い通貨の代表のような動きになるのではないでしょうか。

 

 

買いたい通貨を書くに苦労しました。リスクオン相場なので、経常黒字の新興国・資源国通貨というのがセオリーなのですが、あまりめぼしいものが見つからず、日本円と書いてしまった時点で、理屈は成り立っていません。

年初から中期以上でのボラティリティが低く、長期の投資家には厳しい相場環境になっています。「休むも相場」という格言がありますが、今がそういう時なんだと思います。ポジションを減らし、相場を眺めるのが得策なのかもしれません。

 

 

 

| コラム | 10:22 | comments(0) | trackbacks(0) |

原油価格の上昇と為替への影響

目先の為替は動きがないわけではないですが、大きくは動かなそうな雰囲気。ユーロドルの頭が重くなってきたこともあり、一相場終わった感があります。そんな中原油価格の上昇が顕著になってきました。産油国通貨の動きをもう一度確認したいところです。

 

原油価格は北海ブレントが1バレル=57ドル台で推移、一時は59ドル台まで上昇し、2015年7月以来の高値水準です。WTIは1バレル=52ドル台での推移となっていて、スプレッドが広がっています。このスプレッドの広がりは、アメリカの南部を襲ったハリケーンの影響などが考えられます。

EIAの原油在庫統計を見てみますと、原油在庫は直近増加傾向。水準はほぼ前年と同水準です。ガソリンは前年比大幅減少、直近の減少幅が大きくなっています。ディスティレート(留出油)の在庫もガソリンと同じく、前年比、直近共に大幅減少になっています。全体としては、前年比で減少傾向になっています。原油とガソリン・ディスティレートの直近の傾向が異なるのは、これもハリケーンの影響です。

この前年比で在庫が大幅に減っているという現象は、シェールオイルの生産が急増した後の、ここ数年には無かった現象です。新興国を中心とした需要の伸びが在庫減少につながったと考えられます。新興国は景気が拡大基調にあるため、この旺盛な需要の増加はしばらくは続くことになりそうです。

 

原油価格の上昇の為替への影響を考えます。当然、原油輸出国通貨にはプラスの材料なのですが、個別に見ていきますと、割とグダグダです。

まず、代表的な産油国通貨ロシアルーブルですが、これは、中長期で買い予想で良いと思います。しかし、今年前半の原油価格下落の際に、それ程値が落ちて無く、現在水準もそれ程割安ではないので注意が必要です。次はノルウェークローネですが、こちらはどちらかというと、天然ガス価格の影響を大きく受ける通貨です。天然ガス価格は原油価格ほど明確な上昇局面ではなく、もう少し様子を見たい状況といったところでしょうか。カナダ・メキシコは、経常赤字が大きくなってきたため、この値をどれだけ小さくできるかが鍵を握りそうです。ここ数ヶ月上昇傾向にあった通貨ですが、水準は割高とみられ、現状では売り目線で見た方が安全だと思われます。

原油輸入国通貨では、ニュージーランドドル・トルコリラ・南アフリカランド辺りは注意が必要でしょうか、経常赤字が大きくなっているときに、交易条件の悪化材料が加わるため、貿易的に大変厳しいものになると思われます。また、日本・中国・ユーロ圏辺りの経常収支の変化にも気を配っておきたいところとなります。

 

 

今回の原油価格の上昇は、クルド人自治区の住民投票といった、政治的なイベントがあったための一時的なものでしょう。しかし、需給を見てみても、年初にあったような供給過剰感は完全に解消されているため、今後も原油価格は底堅く推移しそうです。

アメリカのシェールオイルの掘削状況等を横目に見ながら、来年以降の原油相場を予想するのに良い時期なのかもしれません。

 

 

| コラム | 09:22 | comments(0) | trackbacks(0) |

カナダ中銀の利上げは興味深い

足元では、日本円が独歩安で、ややリスクオンの展開。短期的には、いろいろな材料が日々消費されていますが、長期的な視点で見ても重要な転換点が迫っているように思えます。注目はカナダです。

 

今月、カナダ中央銀行が政策金利の引き上げを決定しました。政策金利は0.25%上がり、1.0%となりました。政策金利の引き上げは2か月連続になります。カナダの失業率はリーマンショック後では最低水準にあり、経済も拡大中です。2015年ごろには、資源価格下落の影響もあり、マイナス成長の時期もありましたが、足元では回復してきています。そのような経済と、1%程度のインフレ率を考えると、政策金利の水準は妥当性があります。中央銀行の強気の姿勢を見る限り、もう少し上昇するのかもしれません。

 

ここで考えたいのが、政策金利を上昇させたことによる不動産価格への影響です。カナダでは不動産価格が上昇を続けていて、トロントやバンクーバーといった主要都市では、所得に対する不動産価格の割合が、世界最高の水準で不動産バブルが指摘されています。

中国や東南アジアの富裕層を中心とした、移民が増加したほか、それらの地域からの不動産への投資が活発化しました。また、世界を対象にした不動産投資信託が増加したことも、この地域の不動産価格の上昇要因になっています。

最近になり、外国籍による不動産取得規制や住宅ローン審査の厳格化、中国の資本流出規制等の効果が出てきたのか、主要都市では価格の下落が始まったという情報もありますが、カナダ全土でみた場合では、不動産価格の上昇は続いているようです。

 

そして、今回の利上げです。政策金利の利上げは、住宅ローン金利の上昇に直結します。住宅ローンの支払額の増加はシンプルに需要減少につながるため、より明確に不動産バブルを潰すことになりそうです。といいますか、今回の利上げの目的こそが、この不動産バブル潰しだったのだと思われます。カナダ中銀が明確に信用バブルを潰しに来たということです。そういった意味で、カナダ中銀のこの2か月の動きというのは、大変に興味深いものがあります。

 

今回の不動産バブルは、カナダの他、世界の主要都市でも起きています(カナダはかなり悪いほうの水準)。遠因としては、世界的な緩和政策があったような気がします。住宅ローンが低金利化したため、不動産開発が大きくのびました。また、債券金利が低下しているため、利回りを求める資金が、不動産に流れてきました。ここら辺は、リーマンショック前の世界の不動産と、当時緩和的な金融政策をとっていた日本銀行の動きと同じものと思えます。

 

アメリカが利上げを行い、カナダも利上げを始めました。何かが変わるような気がします。(大きな動きは、もう少し先になりそうですが)さて私たちは、どう動けばよいでしょうか。考えを始めるには今秋はちょうど良い季節になりそうです。

 

| コラム | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

金融市場から見た鉱山資源の偏在性

為替市場は一服感。特に材料も無く、動きも無くといった雰囲気です。原油価格がWTI1バレル=46ドル台まで下落し、こちらも一服感があります。リスクオンとはちょっと違うようですが、目先のリスクは遠のいたようです。

 

銅の価格が急上昇しています。代表的な先物価格はここ1年で5割ほど値上がりしています。銅は、主に電気を流すための銅線に使用されるため、インフラを構築中の途上国での需要が多くなります。また、家電、自動車、工業製品など幅広い分野で使用されるため、世界経済とも密接に関わっていて、今回の価格上昇は世界経済の順調な成長を表している可能性もありそうです。(たぶん違います)需要は底堅く、しばらくは高値が続くと予想されます。

需要は世界中にある銅ですが、その生産国には偏在性が強く、およそ3分の1はチリでの生産になっています。逆にチリの方から見た場合では、銅価格が交易条件に大きな影響を与えています。銅価格が上がれば、国が豊かになりますが、銅価格が下がれば、国が貧しくなるというリスキーな状態です。ちょうど、大手産油国と原油価格の関係と同じになります。

 

産出量の偏在性が話題になる鉱物資源は他にもあります。規模が大きいのは、プラチナでしょうか。プラチナの産出量の7割強が南アフリカ、残りの多くはロシアです。

プラチナは自動車の触媒・装飾品・金融商品としての用途がありますが、銅に比べると用途が狭く、実需によって値が動きやすくなります。南アフリカでは、鉱山のストライキがたびたび起こっているため、これによって値が動くことがあるのは、皆さんご存じだと思います。

また、プラチナと同じように自動車の触媒として使用される金属にパラジウムがありますが、こちらも南アフリカがほぼ独占となっています。

 

そして現在注目され、これからさらに注目の的となるといわれている鉱物資源がリチウムです。これは、電気自動車の二次電池として使用される、リチウムイオン電池の材料になる物質です。こちらの産地も偏在性があり、主な産地は、またもやチリ、そしてオーストラリアとなっています。

これから消費量が飛躍的の伸びると予測されているため、値段が跳ね上がる可能性が指摘されていますが、値が上がれば、電気自動車の普及を妨げることになり、ここからの予測は実需との兼ね合いもあり難しくなりそうです。

 

電気自動車の普及に関しては、他にも様々な資源の需給に影響を与えそうです。エネルギー資源の使用量減少の他、樹脂素材の普及から(内燃機関が必要ないため、耐熱性の重要度が減り)鉄やアルミニウムの需要にも影響を与えそうです。

 

 

ということで、チリペソを買おうみたいな話になってしまいましたが、だいぶ適当な分析をすれば、チリペソの上昇予測は大きくは間違ってはいないのだと思います。なかなか馴染みのない通貨ですが、手に入る方は検討してみる価値はありそうです。

その他も鉱物資源も、新興国を中心に基本的には需要は伸びそうです。為替への影響が大きな分野であるため、生産量の増加を確認しつつ、価格には常に気を配っておきたいところです。

 

| コラム | 16:15 | comments(0) | trackbacks(0) |

クレジットサイクルの転換と為替

週明けの為替市場はリスクオンの展開といいますか日本円安です。先週の相場がそのまま巻き戻されているような感じです。ここからは、材料も少なそうなので、しばらくは動きも穏やかになるかなと思っています。

 

 

世界的に債務残高が増加しています。主要先進国では、金融政策の変化もあり、この債務のリスク部分が少し気になるところです。

 

新興国では、2008年のリーマンショック後に債務残高が急拡大して、現在はリーマンショック前の水準を軽く超えています。これは、金融市場がグローバル化したことで、新興国の政府や企業が、世界市場で債務を調達することができるようになったのが大きな要因です。また、新興国国内でも、金融機関が発達し、国が豊かになったことで、企業の資金需要の増加、住宅ローン・消費者ローン市場の拡大なども、債務残高増加の要因となっています。

一方、主要先進国ではどうでしょうか、企業債務はそれ程拡大していません。リーマンショック後に大きく減少して以降、その水準まで回復はせずに、最近になりようやく少しづつ増加が始まった様子です。これは、リーマンショック後の金融規制によって、企業への貸し出しが厳格化したことの影響と思われます。また、政府債務は拡大傾向にありますが、これも新興国ほどの伸び率ではありません。

 

一般に債務の増大局面では、金融市場はリスクオンになります。借金をして株式を購入し(レバレッジの増加)、株価は上昇します。債券市場では、より信用力の低い国への資金流入見られるようになります。為替はこの債券の流れに同調し、新興国通貨が高くなります。

債務縮小局面では、この逆に、株価は下落し、資金は主要国に戻ってくるため、為替は主要国通貨高になり、リスクオフ相場になります。

 

現状はどうでしょうか、新興国では、債務が増加中です。しかし、水準から鑑みて、ここから大きく増加することは考えにくいところです。現状の貸し出しの中にも、かなり質の悪いものがあり、不良債権の増加が問題になりそうです。先進国では、債務自体のノビは今ひとつなのですが、中央銀行による、金融政策の緊縮化が見られ始めているところです。これは、理論上は債務を縮小されやすい効果を持ちます。

つまり、全体的に、リーマンショック後のクレジットの拡大局面から、クレジットの縮小局面への転換が始まったか、もうすぐ始まろうとしているぐらいへと変化しつつあるような気がします。

 

もしこのようなクレジットサイクルの転換が起こるとするならば、為替市場は忙しくなると予想されます。クレジット縮小局面での、新興国通貨から主要国通貨への資金の流れは急速で、リーマンショック時には数ヶ月で30%以上下落した通貨が多数存在しました。(リーマンショックを例えに出すのはあまり適切では無いのですが)現状割高水準の通貨はカナダドル・ニュージーランドドル・イギリスポンド・トルコリラ辺りでしょうか、この辺りの通貨は大幅な調整がなされると考えられます。

 

 

正直なところ、先進主要国ではまだ、債務の増加余地がかなりあると思っていますし、実際に増加するでしょう。この辺りで、先進主要国と新興国間のクレジットサイクルにズレができるような気がします。世界の市場はつながってはいますが、金融政策や景況感、債務残高は当然、国や地域ごとに異なるものになっています。世界全体がリスクオン・リスクオフになる訳では無く、なにか複雑な動きになるのでは無いかと予想しています。

しばらくのリスクオン相場の後、長く大幅な調整が起こるような気がします。きっかけは、全く予想できませんが、とりあえずは、アメリカの株式市場の下落辺りが目立ちやすいところなのではないでしょうか。

 

 

| コラム | 13:31 | comments(0) | trackbacks(0) |

イギリスポンドを万年弱気予想する理由

円高が続く為替市場ですが、リスクオフというよりは、夏休み前のポジション調整の雰囲気があります。動きが無いわけではないですが、本格的な動きは、もう少し先のような気がします。ニュージーランドドルの動きが弱くなってきたのが気がかりでしょうか。

 

 

イギリスポンドについてなのですが、この記事を書こうと思い、自分で書いた過去の記事を読み返してみました。過去2年ほど、ポンドについては弱気予想を続けていて、イギリス経済についての文句ばかりを書いていました。実際にポンドは下落していますし、これからもポンドが強くなる材料が見当たりません。日本人が言えた筋合いは無いですが、大英帝国は長期の凋落モードに入ったようです。

 

イギリスの景気は悪くないのです。失業率は過去30年で最低水準で、完全雇用に近い水準です。しかし、何がイギリスの景気を支えているのかといいますと、為替安で恩恵を受ける輸出産業では無く、海外からの投資資金になります。

債券(国債・社債)・株式・不動産それぞれに市場に投資資金が大量に流れ込んできていて、この値上がりが、個人の所得を増大させ、消費を促している構造です。しかし、ポンドが下落していることからも分かりますように、この流入資金以上の額が、イギリスの貿易損失と、金利・配当金の支払いのため、海外に流出していることになります。イギリスの経常赤字の水準はかなり酷い値が続いています。(これでも為替が下落したことで、最悪期は脱してはいます。)イギリスの輸出産業は完全に稼ぐ力を失いつつあります。

ちなみに、ここ1年は海外からの直接投資が伸びています。EU離脱が決定したこのタイミングで、イギリスに海外企業が新規進出する案件はそれ程多くないでしょうから、イギリス企業が海外企業や投資家に売られているのだと思われます。ARM社が、ソフトバンクグループに買収されたのも記憶に新しい話です。

 

ご存じの通り、イギリスは産油国になります。しかし、産出量はそれ程多くないため、輸入・輸出が均衡し、ちょっとだけ純輸出国といったところです。そのため、ここ数年のエネルギー資源価格の上下の動きの影響は少なかったと思われます。また、イギリスにもシェールエネルギー資源があるようですが、環境問題の影響もあり、開発は遅れています。このシェール産業は、開発が始まれば、イギリスの主要産業に一つになるかもしれません。

イギリスの足下での懸案事項は、やはりEU離脱にともなう企業の移転です。EUが(当然ですが)マーケットへの今まで通りの

参加を認めないようなので、主力の金融や製造業企業はヨーロッパ大陸本土への移転が進みそうです。現在のところは静かな動きですが、動き始めましたら、想定よりも大きな動きになるのでは無いかとみています。

 

 

昨年のEU離脱投票前後でイギリスポンドは大きく売られました。そのため、水準感としてはかなり調整が進んだように思われました。しかし、いろいろな数値を確かめてみると、ポンドにはまだまだまだ下落が必要なようです。ここから3割から4割程度の下落で、ようやくちょうど良い水準と入れるかもしれません。イギリスへの投資は活発なため、調整には時間が掛かりそうです。

 

 

| コラム | 14:40 | comments(0) | trackbacks(0) |

グレートアンワインドが起こらない可能性

まずタイトルのグレートアンワインドとはなんぞやという話ですが。アンワインド(unwind)は巻き戻しを意味していて、グレートアンワインドは、最近の中央銀行の緊縮政策姿勢、リーマンショック以降の緩和的な金融政策の転換を意味します。最近できた造語のようですが、ただ使ってみたかっただけです。

 

世界各国の金融政策の緊縮化が噂されています。アメリカFRBは利上げとバランスシートの縮小。ECBは量的緩和の終了。カナダは利上げをしましたし、イギリスは金融政策決定会合の投票が分かれるところまで来ています。これは、各国の経済状況と上昇傾向にあるインフレ率を見れば当然の措置と思えます。

 

しかし、もう少し細かく見ていったらどうでしょうか。

例えば、ECBではドラギ総裁が量的緩和を続けていきたいような意思が見られます。これは南欧経済や下落したとはいえ、まだ9%台の失業率を見ると正当化できるとは思えます。イギリスはEU離脱の問題があり、利上げが遅れています。また、利上げを行ったカナダも、経済状況を鑑みると、ここからの大幅な利上げは考えにくい状況です。日銀は言わずもがな、アメリカやオセアニアではインフレ率の上昇が落ち着き、利上げの必要性について疑問符が出てきています。

このように見ていきますと、金融政策の引き締めにはハードルが多く、グレートアンワインドが起こらない可能性もあるということです。といいますか、各国の中央銀行が、なんやかんやと理由を付けて、緩和的な金融政策を続けているように見受けられます。

 

グレートアンワインドが起こらない場合の市場への影響を考えます。債券金利は下落、株価は上昇を維持すると思われます。典型的なリスクオン相場です。為替は金利選好が進み、低金利の主要国通貨から、高金利の通貨へのキャリートレードが進むものと考えられます。良い言い方をすれば、現状の世界の好景気が長く続く、悪い言い方をすれば、バブルが膨張するといったところでしょうか。

 

 

個人的なイメージでは、グレートアンワインドが全く起こらないということは無いと思っています。起こるけれども、やや遅れる位がメインシナリオです。現状は金融政策の変更のための助走をしている感じなのでは無いでしょうか。この状態では、市場の動きは不安定化しやすいでしょう。足下の動きは注視していきたいところです。

 

 

| コラム | 18:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
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