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オセアニア通貨の強弱

オセアニア通貨が強弱分かれそうな雰囲気です。オーストラリアとニュージーランドは、経済的にも為替的にも、似たような動きになるのが通常の状態ですが、その状態が崩れることになりそうです。

 

 

最近の為替の動きは、オーストラリアドルは、弱めの動き、ニュージーランドドルは、はっきりとした下落基調です。資源国通貨は先月初旬までは強い動きだったのですが、最近はアメリカの利上げ観測もあり、全体的に弱い動きになっています。オセアニア両国には、これまではキャリートレードとみられる資金の流入が続いてきましたが、足下ではこの資金が流出しているようです。また中国や東南アジア富裕層からの不動産への投資も大きかったのですが、価格上昇や規制の影響で、多少の減少があるようです。

資源国では、2013年以降は資源価格の下落の影響で、貿易赤字が大きくなっているため、ここ数年は外国からの資本流入が為替を支えている面がありました。特にニュージーランドは高格付け・良利回りのため、影響が大きかったと考えられます。

 

経済状態を見てみますと、両国とも足下の景気状況は悪くはありませんが、先行きに違いがあります。

オーストラリアは、鉄鉱石、石炭価格が大幅に回復したため、貿易収支が月別での過去最高額を更新、一気に交易条件が回復しました。この状態であれば、資金流出にも耐えられる状態です。

一方のニュージーランドは、厳しい状態になっています。主要輸出品の食肉や乳製品価格は回復してきているのですが、エネルギー資源や鉱物資源は輸入に頼っているため、交易条件が回復できていません。大きめな貿易赤字が続いていて、この状態での資本流出は、為替の下落に直結することになります。(4半期毎にしか発表されないので直近とは言いづらいですが)失業率が上昇しているのも気がかりです。

 

先行きを考えますと、オーストラリアドルは、アメリカの利上げを材料に、一度下落する可能性はありますが、そこが絶好の買い場になりそうです。現状でも上目線でいいと思います。ニュージーランドドルは、しばらく下目線です。特に買い材料はなく、この状態からの資本流出は致命的で、下げ幅も大きくなる可能性はあります。オーストラリアドル買い・ニュージーランドドル売りのイメージが安全だと思います。

気をつけたいのは、アメリカドルの動きです。今月の利上げは確定的ですが、その後、必ずしも強い動きになるとは限らないからです。アメリカドルも高い水準にあるため、利上げ後下落するようであれば、アメリカからオセアニアへの資金の流入も考えられそうです。その場合の為替の動きは複雑になるかもしれません。

 

 

アメリカの利上げが終われば、また材料のない展開が予想されます。ヨーロッパの政治は割とどうでもいい話でしょう。石油価格も頭打ち状態で、産油国通貨もここが一端の天井の様相を見せています。主要国通貨の動きが読みづらいというのもありますが、強いオーストラリアドルとニュージーランドドルの下落は、これからしばらくの基軸として考えてみたいものです。

 

| コラム | 13:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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