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コモディティ価格の変化と為替

WTIが1バレル50ドルを割り込みました。一時48ドル台を付け、これは、昨年11月末以来の値です。昨年2月以降上昇を続けていた原油価格が、調整局面を迎えたことになります。また、貴金属・ベースメタル・農作物・食肉などのコモディティも下落基調にあり、相場が一変したように見えます。

 

 

原油価格の下落は、石油在庫の増加が材料になりました。今年に入ってからは、OPECの減産の影響もあり、在庫の減少が予想されていましたが、在庫は増加が続いています。OPECの減産自体は順調のようですが、ロシアが想定ほど減産していない他、OPEC外各国の生産量が増加しているようです。アメリカのシェールオイルも増加中です。

原油先物市場では、投機的な動きが価格に与える影響が日に日に大きくなっています。今年に入り、大口投資家の買越しポジションが過去最高を更新し続けていたため、これがこれまでの原油価格を支えてきました。しかし、足下では巻き戻しの動きも出てきていて、この動きが続くようですと、原油価格の下落は一時的に大きくなる可能性も考慮する必要がありそうです。

 

貴金属価格の動きは、アメリカの利上げの影響だと思われます。金利の上昇が見込まれるため、金利のつかない貴金属は相対的に売られやすい環境にあります。また、株式市場も含め、相場が全体的にリスクを積極的にとる段階にあるようで、この状態では安全資産としての貴金属は厳しいことになります。

 

そのほかに気になるところでは、鉄や銅価格といった産業用コモディティの下落です。新興国での需要が価格を決める大きな要素になっているですが、これが下落しているということで、新興国の景気が心配されます。昨年は中国が景気対策として、インフラ投資を活発に行っていましたが、これが今後どうなるのか見極める必要がありそうです。ただここら辺の価格の下落は一時的なものの可能性もあります。

 

為替市場への影響ですが、これまで相場を牽引してきた、ロシアルーブルなどの産油国通貨はとりあえず一旦お休み。すぐ大幅下落するとか、先行き弱いというわけではないため、様子見といった状態でいいと思います。オーストラリアドルや南アフリカランド、ニュージーランドドルあたりは個別に見ていきたいところです。例えば、オーストラリアドルでは、昨年来の鉄鉱石や石炭の価格上昇が織り込まれていない部分もあり、上昇の可能性もあります。どちらにせよ、貿易収支を含め、経済統計への反映を待ちたいところです。

輸入国側では、日本やユーロ圏には本質的に好材料、新興国ではポーランドやトルコで交易条件の改善が考えられます。これまで、資源価格の上昇に苦労していた通貨には、一服感がありそうです。

 

 

正直個人的には、今年前半ぐらいは原油価格が高めで推移し、WTIが60ドルになるところまで見ていました。そのため、現状には戸惑っているといいますか、やや準備不足の面があります。ちょうどFOMC直前で、アメリカの利上げ局面あるため、アメリカドルの動きを含め、為替市場全体を見直すにはよい機会です。資源国を中心に中長期の予想を立て直してみたいと思います。

 

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