KAWASE BIIKI

アメリカドルをもう一度確認

FOMC前ですので、為替は方向感のない動き。本格的な動きは来週以降でしょう。アメリカの利上げは確実という前提で、アメリカドルの動きと、その他の通貨への影響を考えます。

 

 

アメリカドルは、昨年のアメリカ大統領選挙後に急伸、アメリカドルインデックスが101ポイント台と、ここ数年の高値圏で推移しています。経常収支・貿易収支の赤字幅を見ても、割高感が拭えません。雇用統計発表後のアメリカドルが下落で反応したのを考えると、利上げは織り込み済で、今回の利上げでアメリカドルが上昇する可能性が低いと考えられます。もちろん、利上げ発表後急伸する可能性は見ておかなければなりませんが、短期的な動きになると予想します。

中長期でも、アメリカドルが上昇する理由はありません。アメリカの利上げは、リーマンショック後3回目で、本格的な利上げ局面に入っています。今後も政策金利は順調に上昇し、今年4回の利上げも考慮に入れる必要はありますが、インフレ率の上昇ペースが早いため、緊縮的な金融政策になっているとはいえず、為替の上昇要因にはなりにくいものと思われます。

今後の動きは、いわゆる天井を探す動きになると思われます。急落はしないけれど、上値は重く、金利は上がるけれど、通貨は下落するといった状況ではないでしょうか。

 

アメリカの利上げといいますと、2013年のバーナンキショックのような、新興国や資源国からの資本の流出が心配されますが、今回はその心配は必要ないと考えます。あのときはアメリカドルが低水準で、アメリカドルの上昇を伴う、政策金利の変更でしたが、今回は、すでにアメリカドルが高値圏であるため、そのような新興国からアメリカへの資本の動きは起こりづらいと思われます。一部、南アフリカやニュージーランドなどでは、これまでの資本の流入が大量だったため、これの巻き戻しはあるでしょうが、大きな動きにはならないのではないでしょうか。

 

 

アメリカドルの下落の代わりとして上昇する通貨としては、ユーロを予想します。

ユーロは、しばらくは選挙などの政治的な理由で不安定な動きを見せる可能性はありますが、経済状態を材料にする場合、下落する理由は少なく、現状が底値近辺とみて良いと思われます。ただし、ECBの金融政策を見ても、ユーロを上昇されるような意識は低く、上昇の動きはかなり鈍くなる可能性はあります。

 

その他、資源国通貨として、オーストラリアドルが面白いと考えます。

石炭・鉄鉱石価格の上昇の恩恵を受け、交易条件が改善、貿易収支が大幅な黒字になっています。資源価格が不安定なため、上下の動きが大きくなりそうですが、中期的に見て楽しめそうです。

 

 

雇用統計もそうですが、いろいろな経済指標を見ても、アメリカの景気は良いと言っていいと感じます。株式市場はバブルの懸念はありますが、その他は順調で、不安材料が少ない環境です。この場合、アメリカでは個人消費が増え、貿易収支が悪化するのでないでしょうか。現状は2005年とか2006年のような感じなのかもしれません。大きなリスクはもう少しだけ、先になるようです。

 

| コラム | 15:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
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