KAWASE BIIKI

北欧通貨の分析

スウェーデンクローナとノルウェークローネの話です。

どちらの通貨の国も、世界的に見て最も豊かな国ですが、経済的にはノルウェーの方がより豊か泣くにとなります。ただし、スウェーデンの方が人口が多く、経済規模では勝っています。また、スウェーデンの方が、経済・貿易の面でユーロ圏により近い関係になります。

産業の違いとしては、ノルウェーはエネルギー資源の大輸出国で、他には金融や観光が主な産業になっています、スウェーデンはエネルギー資源を中心に資源は輸入しているものが多く、工業国としての色合いが濃くなります。

 

 

スウェーデンクローナは、近年は下落傾向です、ユーロの下落に伴った動きと見て取れます。マイナス金利や量的緩和など、緩和的な金融政策も目立ちました。経済は、失業率の低下・対外債務の減少と強い面と、貿易収支の悪化という貿易面の弱い面が共存しています。2013年頃からの資源価格の下落は、スウェーデン経済に追い風ですが、国内の輸出産業の競争力が低下しているようです。ポーランドやハンガリーなど、人件費が安い東ヨーロッパの国々で、より高度な工業化が進んでいるため、スウェーデンの工業は厳しい環境に立たされることになったと思われます。

為替が下落傾向にもかかわらず、貿易収支が悪化しているのは、中長期的に見てもあまり良い傾向ではありません。

 

昨年12月にスウェーデン中央銀行は、金融政策を変更し、国債の購入量を減少させました。いわゆるテーパリングです。インフレ率が1.8%まで上昇し、今後も上昇する可能性が高いため、この影響を抑えるための措置と思われます。現状まだ、政策金利は緩和的な水準ですが、今後の動きが注目されます。

 

 

ノルウェークローネは、天然ガス価格に大きく影響を受けます。2014年頃に天然ガス価格が大きく下落したため、ノルウェークローネも大幅な下落となりました。昨年は2月に天然ガス価格が底を打ったため、上昇傾向となり、今年に入ってからは、天然ガス価格は低迷、ノルウェークローネも不安定な動きになっています。

経済状況は、失業率とインフレ率がここ数ヶ月下落傾向です。また、貿易収支が足下で改善傾向を見せています。

 

天然ガス価格の先行きですが、シェールガス開発が活発になり、天然ガスはやや余っている印象です。中期的に上値が重い状況が続きそうです。ノルウェーのガス田は北海海底でコストが高く、競争力はそれ程高くありません。また、採掘量も減少中です。2019年に新規の大きな開発があるようですが、基本的には減少傾向が続き、これはノルウェーの輸出額に大きな影響を与えそうです。

ノルウェークローネ自体は、貿易収支の改善が顕著なため、ここからの短期の大幅下落はないのかなと思います。積極的に持つ必要があるのかは微妙な状況ですが、どちらかというと買い目線でいいと思います。より長期(数年単位)で保有する場合は、注意が必要になりそうです。

 

 

 

北欧通貨は先進国であるためか、値動きはそれ程大きくなく、あまり極端な動きも見せません。明らかな割高・割安になる可能性も少なく、投資対象としては難しい面もあります。ただこうして、定期的に情報を分析することで、数少ない投資機会を探っていければと思っています。

 

 

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