KAWASE BIIKI

原油価格はしばらくは上値が重い展開が続く

為替市場は不安定な展開、通常はリスクオンになり、日本円が弱い様子なのですが、アメリカの10年債金利の高騰に合わせ、新興国通貨が一斉に売られるなど、神経質な動きのようです。ECBの金融緩和縮小の動きもあり、しばらくはこのような相場が続くのかもしれません。

 

 

原油価格の話です。

原油価格は年初にはWTIが1バレル=50~55ドルのレンジで推移してきましたが、ここに来て大きく下落しています。先週は1バレル=42ドル台を付け、現状も44ドル台と回復が鈍くなっています。

下落の要因としましては、原油の供給過剰感があります。OPECの減産合意を受け、2017年前半は供給不足が予想されていました。しかしアメリカのシェールオイルの急増産・OPEC内で減産の義務の無いナイジェリアやリビアの増産等を受け、供給力が想定以上に増加しています。そのため、原油在庫の調整が進まず、価格も弱い動きになりました。

アメリカの原油在庫の水準は、昨年とそれ程変わらないのですが、それでも月別で過去最高水準を保っていて、過剰感はあるようです。OPECの減産が打ち消されてしまい、効果が全く無くなってしまいました。

 

原油価格が下落したことで、アメリカシェール企業の稼働が気になるところですが、平均的なシェール企業の損益分岐点は1バレル=50ドルを割っているようで、現在の価格帯でも操業を続けるだけならば問題は無いようです。それでも先週石油掘削リグ数が24週ぶりに減少に転じたというのは、原油価格の下落の影響があるのだと思います。つまり、この辺りの価格水準が、シェール業者にとって、供給を増やす目安なのかもしれません。

 

 

先行きですが、やはり現行水準±10ドル前後の動きになると思われます。上値は供給過剰のため重いですが、下値では投機的な買いが入るため、昨年あったような1バレル26ドルのような極端な価格にはなりにくいのではないでしょうか。

需給では、需要は世界経済が堅調なため想定通りの伸びを見せています。これは変化が無いでしょう。しかし、供給側でも量を減らすということは無さそうです。OPECはサウジアラビアを中心に、減産枠を拡大する可能性はありますが、それ程大きくはできないでしょう。つまり需給バランスに大きな変化は無さそうです。少なくとも今年いっぱいぐらいは、現状の供給過剰感が続く可能性が高そうです。

 

 

| コラム | 12:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
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