KAWASE BIIKI

利上げしたけれど、カナダドルは弱気予想

為替市場は方向感が無い展開、一方的なリスクオフは回避されたようで、大きな動きは無い雰囲気です。しばらくは大人しい感じでしょうか。

 

 

今週は、カナダ中銀が金融政策決定会合を開催し、利上げを行いました。カナダの利上げは2010年以来なので、7年ぶりになります。インフレ率は1.5%前後で推移も、失業率が下落傾向にあるため、利上げは妥当な判断だと思います。

この利上げは、早い段階で予想されていて、カナダドルはここ数ヶ月、主要通貨の中で、最も強い通貨でした。

 

今後も、この強いカナダドル動きが続くと予想したいところですが、私は、あまり芳しい動きにはならないのでは無いかと考えます。もちろん、今後も利上げが予想されるため、その動きを好感した買いは入るでしょうが、長期的には続かない可能性が高そうです。ファンダメンタルズが弱いため、上昇が頭打ちになると思われます。

 

 

カナダの主要産業である、製造業を中心とした工業は、好調といいますか、それ程大きな産業の変化はありません。変動が大きいのはやはり資源産業です。カナダは、石油から鉄鋼・金・木材・食料まで、何でもそろうコモディティ大国です。同じ総合資源国のオーストラリアやブラジルと比較すると、エネルギー資源の割合が高いのが特徴です。2014年からの資源価格下落の影響で、カナダの交易条件は大幅に悪化、カナダドルも大きく下落しました。その後資源価格は一旦上昇しましたが、昨今の原油価格下落の影響を受け、貿易収支が再悪化しています。

 

また、カナダといえば、住宅バブルが激しいことでも知られています。トロントやバンクーバーといった主要都市は、中国や東南アジアの富裕層に特に人気で、移住需要が急増しました。住宅不足から価格が急上昇。不動産市場への投資も活発になっています。この海外からの住宅への投資が、これまでカナダドルを押し上げてきました。いろいろ規制を強化したのですが、住宅価格の上昇は続いているようです。

しかし、さすがに、高値水準であることや、投資元である中国側の規制強化、世界的に金利が上昇する局面での、資金調達コストが上昇することで、不動産価格がどこかの段階でピークアウトすることが予想されています。その場合、海外に資金が戻る可能性があり、カナダドルも一端の調整局面になりそうです。

 

 

世界的な低金利が、失業率の低下と、負債の増加を招いています。それの代表的な事例がこのカナダ経済なのだと思います。ここまでの経済は、資源価格の影響で上下しましたが、大きく悪いわけではありません。問題はこれから先です。どこかで、局面が変化した場合、今までの動きが一気に逆流する可能性があり、注意が必要になりそうです。

 

| コラム | 18:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
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