KAWASE BIIKI

私はジャネット・イエレンFRB議長を高く評価する

先週のアメリカの小売り指標が、あまり良くなかったこともあり、アメリカドルが弱い展開です。アメリカの足下の景気は悪くないと思われますが、先行きはやや心配です。原油価格が、WTI1バレル=46ドル台まで回復してきています。アメリカの原油在庫も減少幅が大きくなっているようで、ここからの大幅下落は回避されたのでは無いでしょうか。

 

 

今後の金融政策が注目されるアメリカFRBですが、ジャネット・イエレン議長の任期が、来年2018年2月に迫っています。FRB議長は、再選可能なため、続投の可能性もありますが、任命権を持つトランプ政権は、再任をしないと噂されています。現在は後任に複数の名前が挙がっているようで、その辺りも、ここから数ヶ月で決定しそうです。

 

イエレン議長の金融政策手段の特徴は、基本的には雇用系データ重視で、全体的に慎重であるという印象があります。そして、市場やマスコミとの距離の取り方が上手く、利上げ時の市場価格への織り込ませ方などは、本当に感心するものがあります。

個人的には慎重すぎる、もう少し速く利上げを初めても良かったとも思っていますが、市場を混乱させない、現実的な選択をとる議長として評価しています。

 

FRBの目標といえば、物価の安定と雇用の最大化といわれます。リーマンショック後、バーナンキFRBは、大幅な緩和政策と量的緩和を行うことで、大幅な物価下落の阻止と、雇用の安定を確保しました。あれから9年がたち、議長はイエレン氏に交代し、雇用は完全雇用、物価は1%台で安定と、この目標を達成しています。

また、イエレン議長は、前FRB議長のバーナンキ氏から、金利の正常化とバランスシートの縮小という、本当に本当に大きな課題を受け取りましたが、現在のところ、これを順調にこなしています。もし予測通りに9月や12月に、保有資産の圧縮が開始できるのであれば、これはものすごい功績になると思われます。

 

 

緩和的な金融政策が長期になったため、債務の増加が心配されますが、アメリカの民間企業や金融機関の債務は、問題の無い水準です。個人の負債増加は問題になりそうですが、景気を冷やすことはあっても、金融危機を招くことは無さそうです。どちらかというと心配されるのは、株価では無いでしょうか、FRBの管轄外ではありますが、特にハイテク系企業の株価割高感は、今後問題になりそうです。

 

FRB議長が替わる局面で、経済も変化を見せる雰囲気があります。世界的に金融政策が緊縮化する時期なので、景気の頭打ち感が出るのは致し方ない面があります。来年以降の話になりますが、それほど遠くない時期に、アメリカは利上げを終了させなければならない経済状態になると予想されます。次期FRB議長には、大きな決断をする手腕が必要になりそうです。

 

 

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