KAWASE BIIKI

ニュージーランド経済の不確実性

ちょっと心配なニュージーランドの話です。

ニュージーランド経済は、失業率も低下し、主力輸出品である食料品価格が安定しているため、堅調な状況です。

経済指標をみると、特徴的なのは比較的大きな経常赤字です。輸出品の競争力に対して、生活水準が高いため、長い間経常赤字が続いています。この経常赤字を埋めるため、外国からの投資を必要としている状態です。政府債務が少なく、国債格付けが高いため、外国からの投資は、旺盛です。ただ、経済規模が小さいため、投資が過剰になりやすく、それが割高な為替水準を生み、経常赤字を作り出しやすい環境にあります。

 

ニュージーランド国民は、国民性なのか貯蓄率が低く、資産が不動産のみという方が多くいらっしゃいます。そこで不動産を担保に、借金を増やすという生活です。不動産価格は上昇しているため、生活は裕福になっています。

別の見方をしますと、住宅価格が上昇している間は、借金を増やせるため、経済が成長しますが、それが止まってしますと、個人消費の減少から、経済が一気に凍結してしまうという非常にリスキーな環境にあるということです。

 

そして、この住宅価格も海外からの投資に依存しています。中国の個人や、国際リートなどの投資が、住宅市場にあふれ、現地の実需の水準から離れた価格を形成しています。もともと移民の多い国であり、人口の拡大から、住宅不足が慢性化しているのもあるのですが、短期的な投資が活発になりすぎている印象があります。不動産価格自体はバブルといって良いと思います。

 

またニュージーランドドルはキャリートレードの投資先としても人気があり、これが割高の為替水準の一因となっています。主要国の金融政策が緊縮化する中で、キャリートレードは巻き戻しされやすい環境に変化しつつあります。何かリスクオフの材料が出た場合に、一気に下落する可能性も高まっているのでは無いでしょうか。

 

 

ここからのニュージーランド経済は、個人消費や雇用の伸びといった、経済指標は悪化するか、頭打ちな数値が出てきやすい環境にあると思われます。インフレ率も、為替の下落無くしては上昇はしづらいでしょう。

ニュージーランドドルのポジションを取る場合は、非常に慎重に精査した上で、ショートポジションを基本とすべきと思われます。

 

 

| コラム | 11:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
<< FRBのバランスシート縮小の影響が予想しにくい | main | グレートアンワインドが起こらない可能性 >>









http://kawase-biiki.com/trackback/901
■ LATEST ENTRIES
■ CATEGORIES
■ ARCHIVES
■ SEARCH
■ LINKS
■ PROFILE