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グレートアンワインドが起こらない可能性

まずタイトルのグレートアンワインドとはなんぞやという話ですが。アンワインド(unwind)は巻き戻しを意味していて、グレートアンワインドは、最近の中央銀行の緊縮政策姿勢、リーマンショック以降の緩和的な金融政策の転換を意味します。最近できた造語のようですが、ただ使ってみたかっただけです。

 

世界各国の金融政策の緊縮化が噂されています。アメリカFRBは利上げとバランスシートの縮小。ECBは量的緩和の終了。カナダは利上げをしましたし、イギリスは金融政策決定会合の投票が分かれるところまで来ています。これは、各国の経済状況と上昇傾向にあるインフレ率を見れば当然の措置と思えます。

 

しかし、もう少し細かく見ていったらどうでしょうか。

例えば、ECBではドラギ総裁が量的緩和を続けていきたいような意思が見られます。これは南欧経済や下落したとはいえ、まだ9%台の失業率を見ると正当化できるとは思えます。イギリスはEU離脱の問題があり、利上げが遅れています。また、利上げを行ったカナダも、経済状況を鑑みると、ここからの大幅な利上げは考えにくい状況です。日銀は言わずもがな、アメリカやオセアニアではインフレ率の上昇が落ち着き、利上げの必要性について疑問符が出てきています。

このように見ていきますと、金融政策の引き締めにはハードルが多く、グレートアンワインドが起こらない可能性もあるということです。といいますか、各国の中央銀行が、なんやかんやと理由を付けて、緩和的な金融政策を続けているように見受けられます。

 

グレートアンワインドが起こらない場合の市場への影響を考えます。債券金利は下落、株価は上昇を維持すると思われます。典型的なリスクオン相場です。為替は金利選好が進み、低金利の主要国通貨から、高金利の通貨へのキャリートレードが進むものと考えられます。良い言い方をすれば、現状の世界の好景気が長く続く、悪い言い方をすれば、バブルが膨張するといったところでしょうか。

 

 

個人的なイメージでは、グレートアンワインドが全く起こらないということは無いと思っています。起こるけれども、やや遅れる位がメインシナリオです。現状は金融政策の変更のための助走をしている感じなのでは無いでしょうか。この状態では、市場の動きは不安定化しやすいでしょう。足下の動きは注視していきたいところです。

 

 

| コラム | 18:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
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