KAWASE BIIKI

世界的な金融引き締めが新興国通貨の下落を誘う

世界中で選挙などがあり、相場は不安定ながらも大きくは動いていません。日々の材料をこなしているといった雰囲気です。次の材料は何かと探している段階のようですが、もう少し長期的に影響が出る話をしたいと思います。

 

現在金融分野で起こっている大きな変化といえば、アメリカの金融政策の緊縮化です。昨年12月から3回の利上げが行われ、これから年末までに1回、来年も3回から4回程度の利上げが見込まれます。さらに,バランスシートの縮小も同時進行で行われています。この縮小規模は3ヶ月ごとに拡大され、これから日を追うごとに、アメリカの金融政策の緊縮化が進むと言うことになります。

ヨーロッパに目を向けますと、ECBも債権買取額を減少させています。といいますか、市場に買い取り可能な債券が減少してきたため、買取額を減少させる必要が出てきているということです。ECBはドラギ総裁を中心に、緩和的な政策を続けたいように見えますが、使用できる手段が限られている他、ヨーロッパ経済が好調のため、量的緩和に否定的な意見が通りやすくなってきたという背景もありそうです。

日本では、日銀の量的緩和は続いていますが、国債の買取額は減少してきています。これも、ECBと事情は似ていて、日銀が買い取り可能な債券は減少しているのが原因の一つです。また、株式(ETF)等の購入も行っていてこれは継続するでしょうが、ここから拡大させることは無さそうです。

 

このように、世界の中央銀行は、結果としてですが、同時期に金融政策が変更になっています。インフレ率の伸びも鈍化しているため、実質金利が上昇し、金融政策は緊縮的に向かうことになりそうです。

 

そうなると心配されるのは、新興国通貨です。主要国の金融政策の緊縮化のため、主要国に資金が集まりやすくなることが想定されます。金融引き締めで思い出されるのは2013年のバーナンキショック(テーパータントラム)ですが、このときは、新興国通貨は10%以上下落しました。

今回はショックという雰囲気ではないため、緩やかながら、徐々に新興国から資金が引き揚げられると思われます。これから為替の下落が長続きする可能性がありそうです。

 

実際最近の為替市場に、変化の兆しのようなものが感じられます。新興国通貨はこのところ弱含んでいます。もちろん、目に見える原因は様々で、ニュージーランドやトルコといった国では政治リスクが高まっていて、これを材料に為替が下落しています。しかし、これらの国には、すでに世界中の資金が集まってきていて、通貨は割高になっています。そのため、少しの資金流出で、大きな下落になっているとも考えられます。現在、ファンダメンタルズ的に大幅に割高な新興国通貨がいくつかあり、市場がそういった通貨を下落させるための材料を必要としているように思われます。

 

 

主要国の金融政策の影響は、来年以降顕著になっていくでしょう。これからの相場で、新興国通貨、特に経常赤字の新興国通貨を持つのは、非常にリスクの高い行為になります。もし現在、何らかのロングポジションを持っている場合は、ここら辺でポジションを閉じておくことを、非常に強くお勧めします。

 

 

| コラム | 07:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
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