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中国からの資金流出は減少したのか

先週末ぐらいから、日本円が強い状況です。特段材料があったように見えませんが、リスクオフムード。新興国・資源国から主要国へ資金が移動しているように見えますが、ユーロが弱めの動きであったりと、複雑な様相です。明確な方向感が出るまでには、もう少し時間が必要なのかもしれません。

 

 

先日発表されたスウェーデンの不動産価格が2が月連続の下落、下げ幅はリーマンショック直後以来の3%と大きな下落となりました。スウェーデンでは、もともと首都ストックホルムを中心に不動産価格が高騰しバブルの様相を見せていたのですが、これが調整局面に入った可能性があります。同じような変化は、カナダ・オーストラリア等でも見られ、世界的に高騰していた不動産価格がここにきて、頭打ちになってきたようです。

またアメリカでは、ここまで大きく上昇してきた株価が少し弱含んできています。中長期での上昇基調は続いているのですが、ここまで特に強かったSP500指数は、ここ1ヶ月ほど横ばいの動きになっています。

このようにここまで一本調子で上昇してきた相場ですが、ここにきて少しずつですが変化が始まっているように見えます。そしてこれらの変化には、中国からの投資資金の減少が、関係しているのではないでしょうか。

 

ここ数年の世界の不動産市場や株式市場で存在感を増しているのは、新興国からの国境を越えた資金移動です。その中でも特に海外への投資額が大きかったのが中国で、先進国の不動産や株式に莫大な金額が投資されたとされています。この莫大な資金が、不動産を上昇させ、株価を過去最高値に引き上げています。

この流れが変わったのは今年の春先です。中国政府が海外への資金移動の規制を強化しました。その規制の効果がここに来て現れ、様々な市場で変化が出てきたのだと考えられます。中国政府は、これまでも海外への資金移動の規制をたびたび強化してきたのですが、香港を利用した資金移動が抜け道として使われ、実質的なの資金移動が減ることはありませんでした。しかし、今回の規制は厳しく、強い実効性がみられたようです。中国からの資金移動の減少を明確に表す指標は見つけられなかったのですが、中国の外貨準備が今年に入り、減少から横ばい・微増への変化していることは、こういった動きの状況証拠になると思われます。

 

さて、問題になるのはこれからの市場の動向です。本当に中国からの資金移動が減少しているならば、日々下落圧力が強まると考えられます。少なくとも、ここから上値を目指すような動きは限定的になると考えた方が自然でしょう。不動産や株価が下落したならば、そこからの影響は多岐にわたります、個人消費や雇用、金利・為替・金融機関の経営など幅広い分野に影響が出ることになるでしょう。どの市場がバブルなのか、どの市場にどのような資金が入ってきているのか、もう一度確かめる段階に来ているのだと思われます。

 

 

リーマンショックから9年、ギリシャ危機、バーナンキショック、石油価格の暴落など、市場は様々な問題を乗り越えてきました。しかし、この間に本格的な信用収縮は経験しませんでした。ここからの最悪のシナリオは、新興国の資金が本格的に本国への巻き戻ることに伴う、信用収縮を含んだ金融危機です。もちろん、現在はそんなことを織り込む必要は無いのですが、何かいやな予感がします。最悪のケースを想定しながらも、日々の数値をしっかり確認し、相場に向き合っていきたいものです。

 

 

| コラム | 19:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
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