KAWASE BIIKI

周小川の功績と宿題

為替市場は、リスクオンの相場も、わかりにくい動きと言いますか、個人的に現状認識がはまっていません。アメリカドルが頭が重い展開になっていて、これが、主要国通貨安、新興国通貨高の要因になっている気がします。アメリカドルはファンダメンタルズ的にも、ここら辺が頂上なのかもしれません。

 

 

アメリカFRBの議長が来年2月にパウエル氏に交代になりますが、もう一つの超大国、中国の中央銀行である中国人民銀行総裁も3月に交代になります。

現在の人民銀行総裁である周小川氏は、2003年から3期15年間総裁の任務をつとめています。一番の功績は、人民元の自由化を高め、IMFのSDR通貨入りを果たしたことと言われますが、どちらかというと、中国の経済をここまで牽引してきたこと自体が功績のように思われます。

 

為替や金融市場の国際化、2015年の株式バブルへの対応、シャドウバンキングへの規制、不良債権処理用のバッドバンクの設立と運用、供給側改革と、人民銀行が関わる案件は、巨大なものが多く、その影響力は大きなものでした。しかし中国の中央銀行は政府との独立性が低く、金融政策が実質国策のため、中央銀行の意見と中央政府の政策にヅレが生じることあり、そういった政策は必ずしも効果的だったとはいえないこともあります。例えば、周氏は、常に不良債権の処理を急ぐべきと表明しているにもかかわらず、党・中央政府の動きは鈍いものでした。債務問題にしろ、株式市場の話にしろ、人民銀行からの話は的を射ていると感じさせることが多く、政策に期待を持たせるのですが、そういった問題への対策は場当たり的なものに変わってしまう印象です。そういった環境の中で国際社会からの矢面に立ち、意見を表明してきた周氏への信頼は国内外から絶大な信頼を置かれていました。

 

周氏は先日10月に「ミンスキーモーメント」について触れました。ミンスキーモーメントとは、金融市場の価格が暴落が始まるする瞬間のことで、このようなことを話すことで、市場に警戒を促したことになります。

任期終了直前にこのようなことを話すのは周氏らしいともいえますし、改めて、現在の金融市場を見直さなければならないと感じさせられるものでした。

 

 

住宅価格・シャドウバンキングの問題・通貨の自由化・国際化にしろ、中国の金融問題は、道半ばです。また現在も大量の不良債権が残っていて、これの処理が今後の課題です。周氏が残していった宿題はとても大きなものになります。

現時点で、次期人民銀行総裁は公表されていませんが、次期人民銀行総裁にののしかかる責務が、非常に巨大であるということは、間違えようのないことになりそうです。

 

| コラム | 15:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
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