KAWASE BIIKI

カナダ経済がちょっと危なくなってきたかもしれない

2018年の実質的な初投稿ですが、2月の中旬になってしまいました。ツイッターが便利ですし仕方が無いですね。

為替市場は年明けからアメリカドル安傾向が続いていますが、株式市場ほどは乱高下していない様子です。アメリカの長期金利の上昇が、市場を動かしている雰囲気ですが、明確な方向感があるかと言われると難しいところ。ユーロドルの動きが一段落していることからも、しばらくはボラティリティの少ない相場に戻ることになりそうです。

 

 

カナダで失業率が発表されました。

・カナダ失業率(2018年1月)  5.9%(前月比 +0.1)

なんてことのない数値ですが、少し気になったことがあるので、掘り進めてみます。

 

 

カナダの経済指標を見ていきますと、

 

・失業率 5.9%

 中長期で見て下落傾向→横ばい

 

・GDP成長率 0.9%

 最悪期は脱して、低成長ながら安定

 

・貿易収支 ー3185 百万カナダドル

 かなり悪い

 

・小売売上(前年同期比) 6.5%

 かなり順調

 

・貯蓄率 2.6%

 ここ数年は4%台で推移してきたものが足下で急悪化中

 

・GDPに対する民間債務 266%(2016年)

 世界最悪水準

 

・GDPに対する個人債務 100%

 かなり悪い

 

とこんな感じです。

カナダは、2014年に資源価格急落によって経済が悪化しましたが、その後資源価格がやや上昇したことで、経済も回復しています。上記の経済指標を見る限り、その後は個人消費の成長による経済の回復のようです。特徴的なのは世界最悪水準の債務です。世界的な低金利から、企業の借り入れが増加したほか、個人では都市部を中心に住宅価格が急上昇し住宅ローンが増加しました。(カナダの住宅価格は2017年中旬辺りでピークを見せ、足下では安定中と思われます。)

 

順番からいくと、住宅価格が上昇し、資産価格の増大から個人消費が増加。しかし所得がそこまで増えていないため、貯蓄が減少し、債務が増大。つまり、このままの状態は続かないよね!といったところです。

さらにこの状況から足下で金利が上昇中、「ここから失業率が上昇し始めたらまずいなぁ」と思っていたところで上記の失業率の悪化が発表されたということです。

失業率は(季節要因などのため)上下する数値のため、単月で悪化したところで特に問題は無いでしょう。しかし、カナダの経済状況を考えますと、この値をより長期で監視していく必要はありそうです。

 

 

2月になって言うことではないですが、今年のテーマは「経済危機との距離感」です。リーマンショックから10年目を迎え、そろそろ次の経済危機が気になるところです。しかし、足下では世界経済は堅調、一部バブルの懸念はありますが、基本的には良好な経済環境と思えます。次の経済危機は、正直まだ2年は先だと思っているのですが、先日の株価急落など、少しずつ変化の兆しは現れているようです。

そして、その変化の最先端を行っているのが、今回記事にしたカナダ経済になります。世界的な低金利から生まれた債務こそが、次の経済危機を作る爆弾そのものです。世界最大の爆弾を持つカナダ経済からしばらくは目を離せなくなりそうです。

 

 

| コラム | 11:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
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