KAWASE BIIKI

ニュージーランドドルの取捨選択

為替市場はややリスクオフの展開となっています。特に材料がない中で日本円が弱めの全面高といったところでしょうか。昨日の新興国通貨の下落のようなこともあり、気の抜けない状況です。

そんな中、オセアニア通貨が弱い動きになっています。特に、ニュージーランドドルは中長期的に下値を切り下げる動きで、今後の動きが注目されます。

 

 

ニュージーランドドルがなぜ下落しているのかと言いますと、アメリカFRBのバランスシート縮小をはじめとする、主要国の金融政策の緊縮化があります。ニュージーランドは債務水準が高く、対外債務比率が多いため、債券市場が緊縮化するような環境では為替が下落しやすくなります。また経常収支の赤字幅も大きくなっていて、輸出産業で稼ぐことが出来ていないのも悪材料です。

 

高い対外債務水準と大幅な経常赤字といいますと、トルコを思い出す方もいるかと思いますが、ニュージーランドの水準はトルコほどは悪くありません。また、債務の多くは民間債務のため、国債格付けが高く、低インフレ・自国通貨建てということもあり、一気に資金が抜けることはないかと思われます。

 

それでは、今後のニュージーランドドルの値動きがどうなるのかと言いますと、私は下落すると予想しています。

理由はいくつかあるのですが、ひとつはアメリカの短期・長期金利の上昇です。ニュージーランドはキャリートレードやイールドハンティングといった金利を狙う投資家の投資対象です。世界的な低金利の中では、高国債格付けを持つニュージーランドの金利は需要が高かったのですが、このところのアメリカの利上げが続く中で、ニュージーランドの1.75%という政策金利は魅力が薄れていくと考えられます。

二つ目の理由は、原油価格の上昇です。ニュージーランドは、原油の輸入割合が高い国の一つで、原油価格の上昇は為替にとっては、マイナス材料になります。このところの原油高は確実に貿易収支・経常収支の悪化を招くと思われます。

さらに、中国経済もニュージーランドドルに影響を与える可能性がありそうです。ニュージーランドは、中国との直接の貿易額が大きい他、隣国オーストラリアを通じて、経済で深い関係を持っています。中国の経常収支の黒字幅が縮小する中で、特に貿易面でどのような変化を見せるのか注意していきたいところです。

 

このように悪材料が並んでいるのですが、実際にニュージーランドドルを取引する際には、上昇する可能性もあります。実は、投機筋のIMM通貨先物のニュージーランドドルのポジションは、過去最高水準の売り越しとなっています。つまり、ニュージーランドドルはすでに売られていることになります。ニュージーランドドルはこのIMMポジションとの関連はそれ程高いものではないのですが、結構大きめな量で、売りポジションが積み上がっているため、この巻き戻しは常に警戒する必要はありそうです。

 

 

 

各国の金融政策が動く中で、債券市場の動きや金利が、為替の動きを予想する上での重要度を増しています。こういった物は短期ではなく、より長い期間の値動きに影響を与えるため、目先の動きとらわれず、じっくりと幅広く、見定めていくことが、ただしい予想をする鍵となりそうです。ニュージーランドドルだけではなく、新興国通貨を予想する場合にも、主要国の金融政策は影響が大きいため、常に情報収集を怠らないようにしたいものです。

 

| コラム | 14:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
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