KAWASE BIIKI

ポスト・トルコリラとしてのルーマニアレイ

トルコリラの急落から早2ヶ月が経過しました。下落幅が大きかったこともあり、一生忘れられない思い出になった方も多いのではないでしょうか。私はこの業界にながくいますが、やはりこういったダイナミックな動きは興奮を覚える物です。そしてこうした通貨の急落を見つけることこそが、為替長期投資の意義であり、醍醐味であると感じています。

 

 

 

ということで、次のトルコリラを探す意味を込めまして、今後急落する可能性が高い通貨を紹介したいと思います。

今回見つけてきたのは、東ヨーロッパ・ルーマニアの通貨レウ(RON・複数形はレイ。この先は複数形のレイで表記を統一)です。

 

ルーマニア自体の知名度はそこそこありますが、その通貨を取引している方はきわめて稀だと思います。それでも金融庁登録のFX業者のなかで取引できる業者が複数(ドルストレート・クロスユーロが中心)あり、十分に検討価値がある通貨だと思っています。

 

ルーマニアレイの下落予想の理由としましては、トルコリラとの相似点があります。

トルコリラが下落した原因は、

 

トルコ

・実力   100

・生活水準 150

 

と実力に比べ生活水準が大幅に高くなっていたためと言うことが出来ます。先日の下落はこのギャップが修正された動き(このギャップを対外債務で埋めていたが、債券市場の流動性が減少したため、強制的に修正された。)ということになります。

 

これをルーマニアに当てはめてみますと、

 

ルーマニア

・実力    80

・生活水準 110

 

位のイメージで良いと思います。実力と生活水準のギャップはトルコほどではないですが、実力以上の生活をしているという点では同様の構図です。そしてルーマニアの問題点はこの先にあります。

実は、ルーマニアは、この状況にもかかわらず、最低賃金を大幅に引き上げているのです。2016年1月に230ユーロ程度だった最低賃金は、現在400ユーロを超えていて、2年半で1.7倍以上になっています。さらに、来年1月には7.9%の上昇が決まっています。この間に、生産性(実力)も向上しているため、すべてが悪い上昇というわけではないのですが、上昇幅が大きすぎることが問題になりそうです。つまり、実力の上昇幅よりも生活水準が改善幅が大きいため、実力と生活水準のギャップが広がってしまうということになります。

 

このような動きにより、経済指標が悪化しています。対外債務が増加、貿易収支・経常収支が悪化・インフレ率が上昇中と為替にとっての悪材料が並びます。これらの値には足下の賃金上昇は織り込まれてはいないと考えられ、今後ももう一段の悪化がが予想されます。

ルーマニアはリーマンショックが起こった2008年に経常収支が対GDP比−11.8%という、考えられないほど悪かった時期があり、通貨が35%程下落(対ユーロ)したという実績があります。今回は経済収支がそこまで悪化するとは考えていませんが、ユーロが割安水準を維持していることもあり、ユーロが急上昇した場合などに、大幅に下落する可能性は高いと思っています。

 

 

 

ルーマニアの経済指標は悪化していますが、まだ、トルコほどではなく、多少の余裕があるように見えます。また、かなりマイナーな通貨と言うこともあり、投機的な動きで大きく売られることもないと考えています。そうなりますと、実際に下落するのは、来年か再来年、はたまたもっと先という相当長期な話になりそうです。

今回紹介したルーマニアレイの他にも、大幅な下落が予想される通貨はあると思われます。今後も、機会がありましたら紹介していきたいと考えています。

 

| コラム | 13:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
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