KAWASE BIIKI

中国人民元、切り下げは近いのか?

人民元に大きな動きが出る可能性が高まっているのかもしれません。

リテール外国為替大手のサクソバンクFX証券が、中国人民元を含む通貨ペア取引の証拠金を、20%(レバレッジ最大5倍)まで引き上げる方針のようです(実施は2/2から)。理由としましては、「市場環境の変化と流動性の低下」ということで、具体的なことは公表されていませんが、何らかの情報があったと思われます。サクソバンクでは現在、ロシアルーブルとスイスフラン・メキシコペソの証拠金率を、他の通貨よりも引き上げております。

中国人民元といえば、製造業支援のため、安値で操作されていると思われがちですが、2006年頃から対ドルで上昇させる政策をとっており、現在は相当な高値圏にあると考えられます。むしろ、資本流出拡大を恐れ、高値を維持させているのが実情のようです。昨年夏ごろから、外貨準備が減ってきており、この動きに関連していると思われます。中国政府・人民銀行から為替に対する具体的なアナウンスがないため、人民元の方向性はわかりませんが、中国の経済状態を考えると、人民元に大きな動きがあるとすれば、引き下げ方向と予想するほうが自然と考えられます。。

スイスフランの件があり、各FX会社とも慎重な経営が求められており、このような予防的な措置はこれから増えていくと思われます。経済指標や要人の発言といったものではないですが、こういった動きも、相場を予想するするヒントになりますそうです。



| コラム | 11:43 | comments(0) | - |

通貨研究 南アフリカランド

通貨研究 南アフリカランド ZAR
南アフリカランド・実質実効為替レート・チャート.bmp
 実質実効為替レート チャート (1994〜)

実質実効為替レート  80.1  2014 12
実質金利       0.15%   2015 01

【値上がり要因】
・低水準 自立反発
・原油安
・金価格上昇 
・プラチナ価格底打ち
・インフレ率低下
・ECB量的緩和

【値下がり要因】
・米FRB利上げ
・利下げ懸念
・高失業率
・鉱山ストライキ再燃


新興国通貨の中では取引高が大きい国際通貨です。高金利のため、利回りを求める一部投資家に人気があり、値動きも大きく、ハイリスク、ハイリターンな投資対象となっております。

実質実効レートは、リーマンショック前後に、大きく下落しておりましたが、その後、BRICS五番目の国(Sを担当)として期待を集め、金価格の上昇、直接投資の増加にともない、大きく値上げしました。その後は、世界的なリスクオフ傾向で値を落とし、直近の値は、リーマンショック後の最低値より、やや高い程度の値となっております。

実質金利は0パーセント付近です。南アフリカランドは、新興国の中では、中銀や政府による為替介入・為替操作が少なく、市場原理に沿った値動きが特徴になります。今後、インフレ率が低下が予想されており、金融政策がどのように変化するのか注目です。

南アフリカ経済は、鉱物資源産業への依存度が高く、必ずしも堅実とは言いがたい状態です。昨年は、プラチナ鉱山で長期ストライキが発生し、経済成長が鈍化しました。さらに資源価格の下落が、これに追い討ちをかけました。高失業率、高インフレ、経常赤字が常態化しており、最悪の経済状態になっているといっても過言ではありません。サハラ以南最大の経済大国の座もナイジェリアに奪われ、投資対象としての、注目度も低下しております。

ただこの状態も、昨年10月頃から変化の兆しを見せ始めております。CPI(消費者物価指数)前年比は、大幅に低下中で、経常収支も改善の兆しを見せております。経済規模に対する原油輸入額の割合が高く、原油価格下落の恩恵を強く受けることができており、また年明けから、主要輸出品である、金の価格が上昇を始めており、これも経済にとっては大きなプラスの材料となっております。

今年は、FRBの利上げ予測の影響で、新興国通貨は非常に我慢を強いられる展開が予想されます。ランドは新興国の中でも、この影響を受けやすい通貨とされており、利上げ前後では神経質な動きになりそうです。しかし、現在の水準や、足元の経済状況を見ると、あまり悲観的になり過ぎるのもリスクがあるのかも知れません。新興国通貨を代表する存在として、今年の新興国通貨相場を、是非とも牽引していただきたいものです。


※実質実効為替レートは、1994からの平均値を基準(100)としております。
各データはBIS(国際決算銀行)・世界経済のネタ帳・TRADING ECONOMICS のデータや、そのデータから計算したものを使用しております。(Link省略)

| コラム | 22:18 | comments(0) | - |

不定期雑感 2015 0125

2015年も、早三週間が経過、為替市場は予定外の出来事、大きなイベントが連続し、大きく動いています。

まずは、スイスフランの上限撤廃です。スイス国立銀行さんがやってくれました。まったく想定外でした。数日前まで上限は絶対に守るとかいっていたような気がしますが、ECBの金融緩和の予定があったため仕方なかったのでしょう・・・・・。この影響で、スイスフランは大きく上昇した後、やや調整、現在はすべての通貨に対して、上限撤廃前より十数%程高い値で推移しており、かなりの高水準となっております。

次に、カナダ中銀の利下げです。カナダの景気自体はそれほど悪いとは思いませんが、原油価格下落のほか、様々な原材料価格が下落していましたので、今後の景気を踏まえ利下げしたと考えます。こちらも予想外でしたが、納得の利下げです。この利下げで、カナダドルはもちろん、近い動きをする資源国の、オーストラリアドルやニュージーランドドルも大幅に下落しました。スイスフランの件ほどではないですが、為替市場に与えた影響は大きかったと思います。

そして、ついに始まったECBによる量的緩和です。緩和までに、様々なところからアナウンスがあったため、直前にはだいぶ織り込まれていたようですが、さすがにユーロは大きく下落しました。またユーロとペッグしてる、デンマークやチェコの通貨や、北欧通貨、東ヨーロッパの新興国通貨が大きく下落、さらに、資金流入を期待してか、その他の新興国通貨トルコリラ・南アフリカランド・メキシコペソ・ブラジルレアル等は、上昇しました。オセアニア通貨は下落しております。個人的には思っていたよりもすんなりと緩和が始まった印象です。ドイツ中銀の反対はあった模様ですが、ケンカはしないように収めたようでう。今後もギリシャの選挙があるなど、ユーロ圏は一筋縄ではいかないでしょうが、ECBの動きは注目です。

その他の国ですが、物価上昇率の低下を反映して、トルコ中銀が利下げを行いました。また、ニュージーランドや南アフリカ、シンガポールでも物価上昇率の低下・物価下落が起こっており、今後緩和的な金融政策が進められる可能性が高まっております。原油・エネルギー価格下落、資源価格下落の影響が出始めているのだと思われます。ブラジルでは、為替介入の規模を縮小しました。ただ利上げを行っており、緊縮政策は継続中です。ブラジル経済は下落基調にあり、この緊縮政策は少し心配です。

原油価格は下落が続いております。一週間程度前に一度下げ止まった感がありましたが、ECBの金融緩和後、再び下落基調を強めております。

これから期待できる国をひとつ挙げておきます。その国は、南アフリカです。原油価格下落の影響が大きいほか、主要輸出物の金・プラチナの価格が上昇を始めたため、経常収支の大きな改善が期待できるほか、課題だった高インフレが急激に収まっており、想定外の急激な経済成長も期待できます。

今回は、やはりECBの追加緩和の影響が強大で、今後もしばらくは、ヨーロッパ通貨下落、新興国通貨上昇が続くと思われます。なにか落ち着かない、胸騒ぎがするような、ワクワクするような相場環境になっておりますが、じっくりと冷静に書く通貨の動きを観察していきたいです。


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| コラム | 22:54 | comments(0) | - |

スイスとノルウェーの入れ替わり

一人当たりの名目GDPの話です。一人当たりの名目GDPは、国家の豊かさを表す指標として知られていますが、このランキング上位に大きな動きがありそうです。

2013年の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング上位はこんな感じ、
1 ルクセンブルグ 112472
2 ノルウェー   100578
3 カタール    98985
4 スイス     81276

9 アメリカ    53000

24 日本     38467

※データは世界経済のネタ帳から

上位はいかにも豊かだなといった国々が並んでいます。しかしこれは2013年のランキングです。

ここで直近の出来事を思い出して見ましょう。まず、原油価格の下落です。ノルウェーなどの産油国の通貨が大きく下落しました。そして、スイスフランの上限撤廃です。スイスフランは対ユーロで1割以上上昇しました。これらがそのままランキングにも反映されますので、ノルウェーは大きく下落し、スイスは上昇しました。

ここ数年、ランキング上位3カ国内ので入れ替えはありましたが、3カ国と4位スイスには大きく差があったため、3カ国は不動の地位にありました。しかし、ここ数ヶ月の動きで、ノルウェーとスイスが入れ替わったような形になりそうです。

このランキングは、為替の影響を大きく受けるランキングになっており、そのため、スイスの地位もすぐに終わってしまう可能性もあります。また、この指標がどれだけ豊かさを保障できているのかも評価は難しいところがあります。個人個人の生活にはあまり関係の無い話ですが、時間があるときにでもこういったランキングを眺めるのも一興かなと思います。
| コラム | 10:13 | comments(0) | - |

スイス中央銀行 スイスフランの上限撤廃

先ほど、スイス中央銀行はスイスフランの上限を撤廃しました。スイスフランはユーロに対して「1EUR=1.2CHF」という上限が設けられていましたがこれを撤廃したことになります。また政策金利マイナス0.75%に引き下げております。

これを受けて、スイスフランが急上昇、ユーロに対して前日比15%高という水準で推移しております。

理由としましては、定かではありませんが、ECBが、今月の金融政策決定会合で量的緩和政策をアナウンスするとの憶測が広まっており、この緩和政策に巻き込まれたくないということだと思われます。

スイスは物価の下落が進んでおり、今回の措置で、物価下落がさらに進む可能性が高まります。スイス中銀は緩和政策ではなく、マイナス金利で物価下落に対応しておりましたが、これをさらに進めた形だと思われます。

| コラム | 20:03 | comments(0) | - |

ロシアの外貨準備と対外債務

ロシアルーブルは昨年末、一時1ドル=85ルーブルと過去最安値をつけ、主要国で最も弱い通貨となりました。その後1ドル=60ドル程度まで値を戻しましたが、年明けも不安定な動きを見せており、注意が必要な状態が続いております。そこで今回はこのロシアルーブルの動きにも直結するロシアの外貨準備についてです。

ロシアの外貨準備は、2013年末で5090億ドル(およそ60兆円)で世界5位の規模でした。これが2014年12月までに、3880億ドルとおよそ24%減少しております。ひとつの原因としましては、ロシアルーブルを支えるための為替介入資金への支出ですが、もうひとつの原因は、民間部門の対外債務解消のための事業資金支援への支出です。
ロシアは長い間、経常収支の黒字が続いており、公的部門における債務は少なく、対外債務も問題のない水準です。しかし問題は民間部門で、民間部門には6000億ドルにものぼる対外債務があると試算されおります。民間企業なので、本来は公的債務と切り離して考えるべきですが、なかなかそうは行きません。民間部門で債務が大きいのは、エネルギーや鉱業といったロシア経済の基盤を支える企業で、実は半官半民の企業です。ロシア企業は制裁により欧米の銀行からは新たな借り換えができないため、ロシア政府がこうした企業のデフォルトは避け、事業を継続させるには、外貨準備を使用した支援が必要となっており、そしてこの支援に、毎月およそ100億ドル程度の外貨が必要となっているということです。

ロシア政府が、こうした企業を支援するにはおよそ3300億ドルが必要となるそうですので、ルーブル高を支える資金は残りわずかです。また、外貨準備の一部はもともと年金用の準備資金であるので使用できないといった話があったり、景気対応策として外貨準備を使いたいといった、政府からの要望が出ているといった話もあるので、実際に使える額は大幅に少ないようです。

今年中に外貨準備の(事実上の)枯渇が問題になる可能性は高く、そのときにロシアルーブルはまた大きく下落する可能性は高そうです。そしてロシア経済はさらに苦境に立たされることになりそうです。

データ等参考
「世界経済のネタ帳」
「今日の覚書、集めてみました」


| コラム | 12:37 | comments(0) | - |

中国経済の現在地

中国経済の停滞が叫ばれて久しいですが、現在のところ、崩壊や暴落といったニュースは聞こえません。上海株式市場は昨年後半大きく上昇し、悲観派を驚かせました。不良債権の規模が巨大のため、何の調整も無く中国経済が立ち直ることは難しいでしょう。ソフトランディングという言葉は今回のバブルでは妄言であり幻です。現在どのような中国経済はどのような状態なのか、次に大きな動きがあるのは何時なのか、考えていきます。

2015年経済成長予想 7%台
CPI(消費者物価指数)1.4%(2014.11 前年同月比)
PPI(企業物価指数)−2.7%(2014.11 前年同月比)
政策金利 5.4%

基本データはこんな感じ、PPIがマイナスであるのと、成長率と比べ、物価時上昇率が小さいのが特徴でしょうか、政策金利が高めで緊縮的な金融政策をしているのがわかります。一般的にこの状態が続くと、企業経営が厳しくなってきます。価格低迷から利益が予定ほど出なく、高い金利の借金が返せなくなっている企業が多くなっていると思われます。報道のとおりですと、鉄鋼、鉱物、不動産分野は特に厳しい経営環境のようです。また日本の100円ショップで売られているような、低付加価値の商品を製作する企業も、人件費高騰のため、利益が出にくくなっているようです。

次に、一般的な途上国の経済発展とバブル崩壊のサイクルを考えると、以下のような感じでしょうか。

1、経済成長
2、不動産上昇
3、投機資金の増加
4、不動産バブル
5、賃金(人件費)高騰
6、景気低迷
7、設備過剰
8、不動産価格低下
9、企業倒産増加
10、金融機関の不良債権増加
11、金融機関の倒産

中国経済の現在は8〜10のあたりでしょうか、企業倒産が増え、不良債権も増加、資産価格の下落がこれをさらに悪化させている状態だと思われます。まさに、バブル崩壊真っ只中といった感じです。ただ倒産やデフォルトのニュースを見ても、規模がそれほどでもなく、中国経済そのものに影響を与えるような企業の倒産はこれからのようです。そして、注目は何時「11、金融機関の倒産」が始まるかです。日本のバブル時の、山一證券や、北海道拓殖銀行、アメリカでのAIGやリーマンブラザーズのような、中国バブル崩壊の象徴となる金融機関の破綻が、これからやってくるでしょうし、バブル退治(バブルは崩壊しないと夢を見る人たちをの目を覚まさせる)には必要な作業です。時期としては今年中はまだ難しいかもしれません、中国政府がまだ破綻を認めないでしょう。ただこの状態は長くは持ちません。2016年が相当に危険な年になると予想されます。
中国ではいままで、バブルが崩壊しそうになると、政府が支出を増やしたり、緩和的な金融政策をすることで、バブル崩壊を防いできました。ただそうした姿勢が、更なるバブルを誘発してしまい、巨大な過剰生産設備や、持続不可能な不動産価格を形成してきました。今回、中国政府はバブル退治に本気です。李克強首相以下がかなり強い姿勢でこれに対応しています。バブルの崩壊も一つの成長の過程であると中国人民が気づいた時、この国は先進国に近づくのだと思います。

| コラム | 22:39 | comments(0) | - |
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