KAWASE BIIKI

ニュージーランド経済 転換点か

ニュージーランド経済が転換点を迎えているかもしれません。
先日発表された失業率が、5.8%と2期連続の悪化なりました。

ニュージーランドといえば、数年来、経済の好調が伝わっており、昨年には他の先進国に先駆けて利上げをしておりました。国債の格付けが高いこともあり、欧州や日本を中心に、世界中から金利を期待した投資資金が集まっていました。通貨ニュージーランドドルは、大幅に上昇、実質実効ベースで過去最高値付近で推移していました。

ニュージーランドの輸出産業は、乳製品や食肉などの畜産業や材木などの一次産業が中心ですが。これら一次産品の価格は低迷しているようです。また、経済関係が深い、オーストラリアや中国の経済低迷も、輸出に悪影響を及ぼしてしていると考えられます。また好調だった内需産業も、クライストチャーチ地震の復興が一段落したことや、金利高の影響を受けて、一時ほどの勢いは無いようです。

市場では、ニュージーランド中央銀行にる利下げを織り込み始めています。
ロイターの記事などによると、年後半に、0.25%の幅で二回ほど予想されるとのことです。ただ市場の予想も割れており、利下げが行われないと予想するアナリストも大勢いるようです。これらの観測によって、ニュージーランドドルは足元下落基調、対米ドルで、年初来の安値に近づいています。

個人的にも、ニュージーランドドルは大幅な下落を予想します。日本人の個人投資家に特に人気の通貨ですから、日本のFX市場にも影響が大きそうです。年後半といえば米FRBによる利上げの予想もあります。新興各国だけではなく、こうした先進資源国も大幅な調整が必要になるのかもしれません。



| コラム | 10:00 | comments(2) | - |

中国経済停滞も人民元の切り下げは最終手段か

中国人民銀行が政策金利の引き下げを発表しました。
政策金利 5.35% → 5.15%

最近公表される貿易統計、物価指標などが弱かったため、引き下げは市場に予想されておりました。
個人的には、引き下げは予想通りですが、時期が想定より早かったなと思います。中国政府の焦りといいますが、市場に対する警戒感がうかがえます。目標としている年7%の成長が難しくなっていると判断したのだと思います。


経済成長減速の理由として、輸出産業の停滞が指摘されております。
停滞の原因は、人件費高と人民元高です。最低賃金が、年10%程度の割合で上昇しており、低付加価値な製造業の競争力を奪っております。また、人民元(CHY)は、アメリカドルと弱いペッグ制をとっているため、アメリカの利上げ観測、日本、欧州の量的緩和、オセアニアや新興各国の利下げの影響などを受け、割高になっています。


中国の政策金利や、預金準備率はまだ高い値で引き下げの余地は大きく、今後も段階的な引き下げが想定されています。その他の金融政策として、中央銀行による地方債務の買取や、不良債権の買取の可能性も報道されましたが、現在のところ、具体的な予定はなさそうです。また人民元に関しても、李克強主首相が引き下げる予定は無いと発言しており、しばらくは、弱いドルペッグ制が続きそうです。人民元の切り下げは、金融政策としては最終手段になりそうです。

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| コラム | 21:00 | comments(0) | - |

中国の金融緩和 次の一手は

中国経済が不透明感を増すなか、中国政府の金融政策に注目が集まっております。

中国人民銀行は、政策金利を引き下げと銀行の準備金率を引き下げており、徐々に緩和的な政策に切り替えております。また不動産市場の下落に対応し、不動産融資に対する規制も緩め始めております。
一方、株式市場は非常に堅調で、上海総合指数は、日々年初来の最高値を更新し続けております。これは昨年まで不動産価格を押し上げていた、シャドーバンキングの資金が、株式市場へ動いてきたためと推測されており、投機的な色合いが強まっている可能性があります。共産党中央政府や人民銀行もこのような投機的な動きを深く警戒、注視しているようです。

このように不安定さを見せる中国経済ですが、これからの中国の金融政策はどうなるでしょうか。
もちろん基本的には、今までと変わらないと思われます。景気が減速して場合は、政策金利や準備預金比率を引き下げるというものになるでしょう。
ただ、気になるニュースが流れてきました。人民銀行が、非伝統的な金融政策を検討しているというものです。ソースが一箇所だったため噂だけかもしれませんが、大変興味深いです。
一般的に非伝統的な金融政策といえば、日銀やFRBが行う、量的緩和(国債等の買い入れ)を指すと考えますが、中国ではどうでしょうか。国債の買い入れでは効果が少ない(金利を下げたいなら政策金利を下げたほうが効果的)ので、何か特別なことを考えているのかもしれません。デフォルトが心配される地方歳の救出や、銀行の不良債権の直接買取、人民元の自由化、資本移動の自由化、貸出金利の上限撤廃などが考えられますが、どうでしょうか。

中国経済が転換期を迎えているのは明白です。其のときが何時になるのか、どのような形になるのか、世界中が注目しています。これからなにやら大相場になりそうな気配は感じますが、まずは世界中の猛者たちとの情報戦、厳しい争いになりそうです。



| コラム | 20:30 | comments(0) | - |

日銀とテーパリング

ロイターの外国為替フォーラムのコラムで、日銀のテーパリングについてのものがありました。
筆者はJPモルガンの佐々木融氏、元日銀マンで、専門は為替全般、日銀の政策に関しては、ややタカ派の意見を持っている印象があります。
記事リンク

内容は、先日の日銀決定会合にて、木内審議議員が日銀による国債の購入額を減らす提案をして、否決されたというもの。

個人的には、もちろん近いうちにテーパリングが開始されるとは思っていません。どちらかというと、緩和の長期継続&追加緩和の可能性のほうが圧倒的にに高いと予想しております。さらに現在の日銀は、実質的には日本政府から多少なりとも束縛されているため、現在の世論状況では、緩和方向以外の決定はできないと思われます。ただ、こういったテーパリングの提案が実際にあった、という事実は大変興味深いものですし、何かが変わる兆しを感じました。

昨日今日は浜田氏の発言もあり、円に対する相場環境が不透明になっています。しかし短期的な動きに惑わされず、大きな流れを読む時期がきているのかもしれません。


| コラム | 00:11 | comments(0) | - |

オーストラリア経済

昨日発表のオーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利は2.25%で据え置きとなりました。
事前予想では、据え置きと、利下げとで意見が分かれていたためか、政策金利発表後、オーストラリアドル(AUD)は2%ほど上昇しました。

オーストラリア経済は低迷しており、今後も厳しいことが予想されます。主要輸出品である、鉄鉱石価格が下がり続けている他に、財政悪化のため、緊縮財政を強いられており、内需にも影響を与えております。
さらに、2017年にかけ、自動車産業(GM,フォード、トヨタ)の工場撤退が決まっており、更なる苦境が予想されます。失業率は、2012年頃には5%台前後で推移しておりましたが、直近6.3%、さらに上昇が続いております。

今回、政策金利は今回は据え置きとなりましたが、今年中に2回(0.5%)程度の利下げが予想されており、オーストラリアドルも中期的に下落が予想されます。
| コラム | 11:04 | comments(0) | - |

最悪の雇用統計とアメリカ経済

先週末に発表された、アメリカ3月の非農業部門雇用者数と失業率ですが、市場予想を大きく下回る結果になりました。

非農業部門新規雇用者数 12.6万人 (予想24万人)
失業率 5.5% (予想5.5%)

また1月、2月の雇用者数の値も下方修正されており、市場を失望させております。季節的な要因や、不安定だった天候、港湾のストライキの影響、ドル高による輸出企業の収益悪化などさまざまな理由が考えられていますが、基本的にアメリカの経済が踊り場に来ているといった感じなのかもしれません。
失業率に関しましては、先月と変わらない値ですが、求職者自体が減っているようで、実質的にはやや悪化している状態です。また5.5%という値は、ほぼ完全雇用状態とされ、これ以上の改善には、賃金上昇がともないます。実際にウォルマートストアやマクドナルドといった、アメリカを代表するような小売企業が、大幅な賃上げを発表しており、賃金上昇は確実視されております。

ここ数ヶ月アメリカの経済指標は、市場予想を下回ることも多くなってきており、アメリカ経済そのものへの注意が必要なようです。

| コラム | 15:34 | comments(0) | - |

シンガポール金融緩和へ

またまたまた驚きのニュースです。波乱の一月になっております。

シンガポール金融管理局は金融政策を変更し、名目実効レートの傾きを緩やかにすることを決定しました。
これは金融緩和に当たります。

シンガポールは、政策金利を持たず、通貨バスケットの名目実効レートを政策目標としており、この値を変更することで、金融政策を変更させています。通常は、4月と10月の年2回の会合で金融政策が決まるため、今回この時期に政策の変更を行うのは、極めては異例のこととなっております。

近年は、好調なシンガポール経済を反映し、緊縮的な金融政策を行っておりました。今回の措置は、物価の下落や、ECBやカナダ中銀の金融緩和に合わせておこなっており、シンガポールドルの上昇を押さえようとしたものと考えられます。ただし、必ずしも通貨安を目指したわけではなく、緊縮政策自体は継続すると思われます(名目の値の傾きを変化させ、実質の値を一定に保とうとしている)。




| コラム | 22:35 | comments(0) | - |
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