KAWASE BIIKI

後出しじゃんけん

今週はリスクオフムードの相場環境でしたが、現在は落ち着いています。材料も無さそうですし、正月相場が終了した格好のようです。

 

まず表を見ていただきます。

 

・経済収支(対GDP)2015年

イギリス −5.36% 2016年大幅下落
オーストラリア −4.73% ※資源国
トルコ −4.49% 今回大幅下落
南アフリカ −4.34% ※資源国
ブラジル −3.32% ※資源国
ニュージーランド ー3.25% ※資源国
カナダ −3.19% ※資源国

 

「世界経済のネタ帳」さんから

 

2015年のものなので、ちょっと古いのですが、経常収支(対GDP比)です。FX市場で取引されている通貨のなかで、経常収支が−3%以上の赤字の国を赤字割合の多い方から書き出しています。

 

ご覧の通り、資源国が多くラインナップしています。資源輸出国は2013年以降の資源価格の下落により、交易条件が悪化、大きな経常赤字になっていました。ここに書かれていない国でも、ロシアやノルウェーの経常収支が悪化しています。当然これらの国の通貨は2013年から2015年にかけて一度は下落しています。下落幅はまちまちで、ニュージーランドドルやカナダドルは、比較的小幅な下落にはとどまっています。

 

そして、問題なのがイギリスとトルコです。イギリスもトルコも産油国ではありますが、資源全体で見ると資源輸入国に分類されます。特にトルコはインフラを建設段階にあり、資源輸入の割合は大きくなっています。2015年当時は資源価格が大幅に下落しているため、相当な恩恵を受けていたはずです。しかし、上記の通り、大幅な経常赤字になっています。これは由々しき問題になります。

 

経常赤字で通貨水準を維持するには、その分だけの資金流入が必要になります。通貨が下落を始めるまでは、何らかの資金流入があったということです。

2008年のリーマンショックで、世界の信用は大幅に収縮しました。特にリスクの高い投資は減少しました。その後、日米欧の量的緩和政策が始まり、世界的な金融緩和から、資金は新興国や資源に移動します。この段階で、イギリスやトルコは対外債務を増やしています。つまり、外国からの資金で経済が運営されていたということです。世界的な信用拡大局面では、経常赤字が大きかろうと、資金が流入してきます。世界的な低金利・金余り状態ですとなおさらです。日米欧の金融政策が、こうした資金移動を促したといっても問題ないでしょう。こうして、維持不可能な経常赤字が積み上がることになります。

 

下落が始まるタイミングは難しいのですが、イギリスは政治的なリスクで、トルコは、物価高からの金利上昇が最終的な引き金になりました。こういった状況では、一度下落が始まると、投機的な資金は一度に逃げ出し、下落幅が大きくなります。

つまり、昨年のイギリスポンドの下落も、今回のトルコリラの下落も、長期的には必要なものであり、下落が始まるタイミングを今か今かと待っている状態だったということです。

 

 

2008年以降、大小様々なリスクオン・リスクオフがありましたが、世界的には信用が拡大を続けていました。しかし、長期金利の上昇とともに、この局面は一変する可能性があります。世界は新興国を中心にバブルになっているのかもしれません。2017年は、この信用の大きさがどう変化するのかに相当な注意を向ける必要がありそうです。

 

ちなみに、足下の指標でも、イギリスの経常収支はそれほど改善していません。もう一・二段階の下落が必要な状況だと思います。トルコに関しましては、これからの指標待ちですが、適正水準か、やや割高ぐらいかなとみています。買いで持つには、まだまだ早いと思われます。

| コラム | 14:49 | comments(0) | trackbacks(0) |

トルコリラが弱い理由

為替市場はリスクオフムード、日本円全面安で、昨日原油価格が大幅下落するなど荒れ模様です。

 

トルコリラの下げが大きくなっているため、緊急で書いてみます。

 

トルコ経済を見てみると、

・経済成長率 −1.8% 4半期年率

・失業率 11.3%

・経常収支 −4.5% (2015年GDP比・2016年は改善傾向)

とボロボロです。主力の観光産業で外国人観光客数が年間4000万人(多いですよね)程度を予定していたものが、テロや治安悪化の影響で3割程度減少が予想されていて、これが響いています。主要な輸出先のユーロ圏での為替下落の影響もあると思います。経常収支は資源価格の下落と為替下落の影響を受け、大幅に改善されたのですが、まだ赤字が続いているため、現在と今後の資源価格上昇を受けて、これからどのような値になるのかは注意が必要なところです。

 

ここまでは、基本的な背景の問題で、足下で何が起こっているのかというと、長期金利の上昇です。トルコ10年債の利回りは、2016年10月で9.5%ほどだったのが、現在11%台とアメリカ大統領選挙前後で1.5%上昇(価格は下落)しています。同期間のアメリカ10年債は1.0%程の上昇、他の新興国は0.5%~0.8%の上昇となっていて、トルコの上げ幅の大きさが目立ちます。つまり、トルコの長期債を保有していた投資主体が、トルコから撤退しいるということです。

 

トルコの対外債務は新興国の中でも大きめの水準、ドル建てやユーロ建てがほとんどを占めています。政府発表のものの他に、民間の対外債務が大量にあるようなのですが、これの実態がつかめていません。これらが金利上昇と為替下落の影響で、金利返済額が増え、資本流出が悪化、さらに債券金利を上昇させるという悪循環になっています。ついでに、格付け会社からの格付け変更などの話もあり、さらにトルコ債の立場を危うくしています。トルコは外貨準備が不足気味の国家とも知られ、無いとは思いますが、一気にデフォルトになるなどの可能性もあり、非常にリスクが大きい状況に追い込まれています。

 

 

私は年末の為替予想でトルコリラは「やや弱め」と予想、これは弱いだろうけれど、2016年に下落したから、一旦調整に入るかなぁ位の安易なものです。(予想をまとめた方の記事では「弱い」に分類してありますが、これは単なるミスです...。すいません)正直、年末年始の急落にはやや驚いています。

下げ幅もメキシコペソよりも大きく、世界最弱の通貨となってしまいました。ここから交易条件を改善させる武器がないのがトルコの弱いところです。平和になり観光客が戻ってくるのを待つしかなさそうです。

 

 

| コラム | 13:47 | comments(0) | - |

フィンテックが為替に与える影響

アメリカ雇用統計も無事終了。為替が大きく動く材料もなく、各経済指標をゆっくり見ていく環境でしょうか。中国人民銀行の動きはちょっと不気味な雰囲気もありますが、実際に影響が出てくるのは、もう少し先のイメージです。

 

 

注目の業界用語、フィンテックの話です。

フィンテックとはファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を合わせた言葉です。先日書いた、ビットコインなどの仮想通貨やその基盤技術となるブロックチェーン、資金運用でのビックデータの利用、銀行貸し出し審査の自動化といった話もあるそうです。FXの世界でも自動売買がはやっていますが、これもフィンテックの代表例でしょう。

結局は最新の技術を使用して、生産性を上げよう、ということです。他の分野となにも変わりません。

 

これらの技術が広まることにより、両替や決算、金融商品の販売・保持の手数料が値下げされることが期待されています。これは一般消費者や企業、特に多国間で資金の移動を行っている企業にとっては、大きなメリットになります。しかし逆の視点、つまり金融機関側から見ますと、売上利益の減少、金融業界の収縮を意味します。

 

グローバル市場の拡大に伴い、金融市場も拡大しています。これが縮小することはないでしょう。金融業界の縮小というのは一方的に、金融機関側の淘汰になりそうです。元々利益率の大きな業界ですが、企業が連立しやすい業界でもあるため、この辺りの整理が進むことになると思われます。能力のある方が、技術によって淘汰され、他の分野へ出て行くというのは、とてもいいことだと思います。

 

もう少し為替に関係ありそうな言い方にしますと、金融で外貨を獲得している国の交易条件が悪化しやすくなるということです。影響が大きそうなのは、イギリス・スイス・シンガポール・アメリカ・日本辺りでしょうが、日本はどこまで国際金融に関わっているのかは疑問です。一番影響が大きそうなのはイギリスでしょうか、他に外貨を稼げる産業が乏しいのがつらいところです。

基本的には新興国を含め、他のすべての国にはメリットが大きくなりそうです。特にフィンテックの技術開発が盛んなアメリカやイスラエルなどには利益が入る可能性も高そうです。

 

 

為替への影響は未知数ですが、金融業界には間違いなく大きな影響がある変化です。金融業界は意外とアナログなことが多く、技術によって淘汰される余地がまだ多くあるのだと思います。技術が広まった後の世界を予想することが、為替を長期で予想することそのものになるのかもしれません。

 

| コラム | 07:45 | comments(0) | - |

ブログ引っ越し終了

とりあえず、無事引っ越し完了。

思っていたより、順調でした。

JUGEMブログさんなかなか良さそうな雰囲気です。

 

元ブログから移行してきた記事には、ズレや変換できなかった文字が含まれていますが、ご了承ください。

最近の記事は、修正する予定です。

 

また、お手数ですが、ブックマークやRSSの設定変更をお願いします。

twitterアカウントも準備してみました。

「こちら」になります。

フォローなどお願いします。(?)

このブログと連携させています。ブログを更新すると、twitterに投稿されるようです。

 

 

それでは、これからもよろしくお願いします。

| その他 | 07:15 | comments(0) | - |

ビットコインと金価格

年明けは、方向感はないけれど、値動きはソコソコある展開となっていて、単純なリスクオンでは無さそうですが、まだ様子見でしょうか。中国人民元が対アメリカドルで上昇、メキシコペソは最安値更新中です。メキシコペソは全力で買いに行っても良い水準のような気がしますが、どうでしょうか。

 

そして、もう一つ大きな動きを見せているのが、ビットコインです。このブログで取り上げるのはたぶん初めてなんですが、皆さんご存じの仮想通貨、ちょうど昨日対ドルでの2013年12月に付けた過去最高値を更新しました。値動きを確認すると、

 

2012年12月 10ドル前後
2013年12月  1000ドル前後
2014年12月 250ドル前後
2015年12月 300ドル前後
2016年12月 700ドル前後
昨日 1100ドル突破

 

となっていて、訳のわからない動きです。直近の動きは中国人民元安の不安から、人民元をビットコインに交換しているからと説明されています。

 

ビットコインの価値は何で決まるのかといいますと、ビットコイン自体の需要で、価値が決まります。
例えば、ビットコインで持ちたい、ビットコインに変換したいという需要が1兆ドル分あったとすると、ビットコインの総価値は1兆ドルになり、そこから単価が決定することになります。
ビットコインで買えるという商品・サービスもありますが、基本的には、現地通貨の価格に変換しての支払いになるため、これで価値が決まるということではありません。

 

サクソバンク証券が年末恒例の大胆予想のなかで、ビットコインの価値が3倍になると予想していましたが、この予想に近づきつつあります。この予想の中では、ドル高の影響で、新興国からの資金流出が加速し、ビットコインの需要が拡大すると述べられています。しかし、私は、ビットコインの需要拡大の本番は、その先にあるのではないかと考えています。つまり、ドル安局面です。

 

ドル安局面で、アメリカドルをビットコインに変換しようとする流れが出てきた場合、どうでしょうか。規模は新興国からの資金流出とは比較にならないほど大きくなる可能性があり、その場合、ビットコイン高はさらに進むとも考えられます。

 

元来資金の逃避先として、もっともポピュラーなものは、金・銀といった貴金属でした。貴金属の価値は工業的な価値よりも、こうした資産としての価値の方が大きかったと思われます。この需要がビットコインへ移動しています。中国・インドという2大金需要国で、金輸入に対しての制限が強化されていることも、ビットコインへの資産移動を加速させている要因になっています。資産の逃避先としての貴金属の需要は減退すると予想でき、その予想の確認が、次のドル安局面で可能と考えています。

 

仮想通貨の基礎技術の一つである、ブロックチェーンは今後様々な分野で活用され、生産性の向上に役立つと期待されます。個人的には、小売り。流通分野での活躍が大きくなると予想します。こういった技術が交易条件の変化から、為替へ影響しているというのは、たいへん面白いことであり、忘れてはいけないことだと思います。
| コラム | 08:36 | comments(0) | - |

ブログ方針 予定2017

あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。

ブログの予定など

☆編集方針
・週1~2更新
・6月末(必須)、12月末に半年の為替予想。
・3月末、9月末に簡易的な全体予想。
・実質金利・実質実効為替レートは1月、7月に。
(実質実効為替レートは、2016年2月まで毎月公開していましたが、理論上、全通貨を縦に見るのではなく、一つの通貨を時間の推移でみるもののため、あまり短期での数値の変化をみても意味が薄いと思ったため終了しました。)

☆その他
・それ程遠くない時期にブログを引っ越す予定です。「seesaaブログ」さん→「JUGEMブログ」さんを予定しています。年末年始を利用して、いろいろテスト中。わりと楽しいです。スマートフォン版の広告が削除できればOK。
・twitterとかも始めるかもしれません。ただ、twitterと長期予想とは相性が悪いのではないかと思っています。ブログの宣伝用なら意味がありそうですが。


予想方針は特に変わりなく、長期予想・ファンダメンタルズ分析一本です。足下で落ち着きのないユーロのを強気予想にしてみたのが、どうでるでしょうか。注目は、中国人民銀行の介入方針です。市場の動きが大きくなるとしたらここになりそうです。

それでは、また一年間ご贔屓に。


| その他 | 07:19 | comments(0) | - |

為替予想 2017前半 まとめ

2017年前半の為替予想のまとめです。

 

 

☆強い 
・ユーロ
・ロシアルーブル ・ノルウェークローネ
・メキシコペソ
☆やや強い
・日本円
・ブラジルレアル
☆中立 ・オーストラリアドル ・ポーランドズロチ
☆やや弱い ・ニュージーランドドル ・イギリスポンド ・アメリカドル
・カナダドル
☆弱い ・中国人民元 ・トルコリラ ・南アフリカランド

 

 

 

☆想定環境

 

 ・原油価格はWTI55~60ドル/バレルがメインレンジ。短期的には、60ドル超えも可能性あり。中期的にも50ドル以下の水準での推移は厳しいと思われます。
 ・鉱物資源価格は、もうしばらく上昇、貴金属価格は現水準程度、食料品価格が上昇。
 ・アメリカFRBの利上げは2017前半1回、後半1回程度。
 ・アメリカ株価指数はダウ平均20000ドル超えも、上値は重くなる。
 ・アメリカ長期金利は現水準程度が頂上。下落幅はそれほど大きくはならない。
 ・中国人民元の為替介入は2017年中に終了する。
 ・ヨーロッパの銀行問題はそれほど大きくならず、モンテパスキには公的な支援が入る。
 ・オセアニアやカナダの住宅価格はもう少し上昇。ほぼ頂上でしょう。
 ・世界経済自体は安定的。

 

 

☆トレードアイデア

 

・USD/RUB 売
・NZD/NOK 売
・USD/MXN 売
・CNH/JPY 売
・EUR/TRY 買

 

 

産油国通貨買い、アメリカドル売りがリスクの少ない基本路線と考えています。足下の円・ユーロ売り、ドル買いがしばらく続く可能性が高いですが、産油国通貨は早めに仕込みたいところです。上昇予想の通貨は対アメリカドルで、下落予想の通貨は対ユーロで持つのが良いと考えています。

 

アメリカドル高反転のタイミングは、人民元の介入政策のアメリカ国債売却と密接に関わっていると推測されます。中国人民銀行の動きが鍵を握ることになりそうです。

 

 

 

 

2016年も、ブログをご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

それでは、良いお年を。

 

 

 

 

| 為替予想 2017前 | 01:54 | comments(0) | - |
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