KAWASE BIIKI

中国人民元の中心レートを1.9%引き下げ

ちょっと大きいニュースです。
中国人民銀行が人民元の中心レートを1.9%引き下げました。引き下げ幅は過去最大です。これは人民元レートの引き下げにあたります。

中国人民元は、管理された通貨で、事実上のドルペッグ制をとっています。実質実効為替レートベースで大幅に割高のため、通貨の切り下げは必須の状況でしたが、ここまでは為替レートの安定を最優先とし、人民元の切り下げについては、否定し続けていました。今回の変更は、足元の経済の減速や、企業物価下落に対応するためのものと思われます。1.9%という下げ幅はそれ程大きいものではなく、実体経済への影響は大きくはないと思われますが、為替政策を変更したという点が重要です。また、中国経済自体よりも、中国との経済関係が深い、周辺国の経済・貿易への影響が心配されます。
中国人民銀行によると、人民元レートの変更は、今回一回限りの調整とのことです。しかし、現在の人民元の水準や中国の経済状況を考えますと、これからも人民元の下落は必要になってくると思われます。

発表後の為替の動きですが、目立ったところでは、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、シンガポールドルが1%弱程度の下落となっています。その他にも、新興国・資源国を中心に下落、日本円・アメリカドルがやや上昇しているので、リスクオフ時の動きになっているという表現が適当だと思います。全体的に見れば、落ち着いた動きです。ロンドン時間・ニューヨーク時間でもうひと動きあるかもしれません。


為替市場の大きな前提条件が崩れました。人民元の流通割合はそれ程大きくは無いですが、小さくもありません。中国経済の大きさを考えますと、影響は計り知れないほど大きくなる可能性もあります。正直、興奮・ワクワク感が先に出てしまっていますが、冷静に冷静に為替市場の動きを見極めていきたいところです。


| コラム | 11:30 | comments(0) | - |

アジア各国の対中輸出割合

中国経済失速時の影響を調べるため、アジア各国の対中国輸出割合を調べました。

??対中輸出割合
?インド??4.7?%
?インドネシア??12.4 %
?韓国??26.1 %
?シンガポール??10.8 %
?タイ??11.9 %
???
(参考)??
?オーストラリア?29.5?%
?ニュージーランド??14.9 %

元データ  ジェトロ


全体的に小さな値ではないですが、韓国を除けば、依存度が高いという程の値では無いでしょう。想定していたよりは、大幅に低い値です。中国経済失速時には、少なからず影響は受けることにはなりますが、それだけでアジア経済全体が崩壊するといったことは無いと考えてよいと思います。

日本の対中輸出割合は、18.3%とやや高めの値です、さらにアジア全体への輸出割合ですと54.1%と過半数を超えます。日本経済を考える上でも、為替の動きを予想するためにも、アジアの動向に注目が必要になりそうです。



| 経済データ | 20:27 | comments(0) | - |

消費者物価指数算出において、賃貸物件の老朽化を考慮する方針に

日本銀行が公表している消費者物価指数のうち、家賃の算定方法が、変更する可能性が高まっているようです。

消費者物価指数を算定するための項目・品目は定期的に変更されているのですが、今回はもう少し本質的な変更で、家賃を算出する場合に、物件の老朽化を考慮するというものです。

賃貸物件を借りると想定します。賃貸物件は、老朽化にともない年1%程度、資産価値が下がっているのですが、同じ物件を借り続ける場合、価格は変更しないことが一般的です。これは本質的には、資産価格低下分である、1%の家賃が上がっていることになり、物価が上昇していることになります。今までの算定方法では、この点が考慮されていませんでした。

家賃は家計消費の2割程度を占めていて、この変更によって、消費者物価指数が前年比0.1から0.2%程度上昇すると予想されています。物価指数は為替に直接的な影響を与えるため、為替水準を考える際に、注意が必要になります。

問題に感じたのが、今まで発表した消費者物価指数の値をどう考えるかということです。実際の物価は、日銀が発表していたものよりも、0.1から0.2%程度高いものだったということになるのですが、この分の為替水準を考慮する必要が出てきます。各年での影響は微少ですが、20年・30年と考えると大きな値です。更には他の国ではどうなっているのかも調べた方が、より正しいのでしょうが、実際計算してみるのは難しいというか不可能だと思われます。

今回の調整は、内容的には妥当性のあるものですし、必要な変更です。
物価は、年金額や社会保障支出にも影響を与えるため、各省庁間の調整が必要になるとのことです。実現にはもうしばらく、時間はかかりそうです。


| コラム | 16:25 | comments(0) | - |

リーマンショック前後での、実質実効為替レートの変化量

リスクオフ時の通貨の動きとして、「リーマンショック時の実質実効為替レートの変化量」を調べてみました。
今後の動きの参考になれば幸いです。

・計算式
  上昇した通貨の場合
  ( 為替変化量 ) = ( リーマンショック後半年の最大値 ) − ( リーマンショック半年前から最小値 )

  下落した通貨の場合
  ( 為替変化量 ) = ( リーマンショック後半年の最小値 ) − ( リーマンショック半年前から最大値 )

実質実効レートの元データはBIS国際決済銀行


・ アジア・オセアニア??為替変化量
   日本円【JPY】?24.5
   オーストラリアドル【AUD】?-24.6
   ニュージーランドドル【NZD】?-24.4
    中国人民元【CHY】?14.4
   シンガポールドル【SGD】?2.1
????
・ ヨーロッパ・その他???
   ユーロ【EUR】?-9.4
   イギリスポンド【GBP】?-18.0
   スイスフラン【CHF】?6.3
   スウェーデンクローナ【SEK】?-19.0
   ノルウェークローネ【NOK】?-14.8
   ロシアルーブル【RUB】?-16.6
   ポーランドズロチ【PLN】?-35.2
   ハンガリーフォリント【HUF】?-25.7
   トルコリラ【TRY】?-17.2
   南アフリカランド【ZAR】?-13.2
????
・ 北アメリカ・中南米???
   アメリカドル【USA】?14.2
   カナダドル【CAD】?-16.3
   ブラジルレアル【BRL】?-24.6
   メキシコペソ【MXN】?-26.3


信じられないような大きな数字が並んでおります。当時を思い出しました。

新興国のみならず、資源国、北欧、イギリスポンドも大きく下落したのが分かります。上昇した通貨では、日本円が最も高い値になっていて、ドル円が円高方向に動いたことも確認できます。
この値は月毎の実質実行為替レートをベースにしているため、瞬間最大的にはもっと大きな動きになっていたということも、覚えておく必要がありそうです。


現在は、新興国通貨・資源国通貨共に、調整が進んでおり、大きく割高な通貨というのは少なく、このような動きは無いと思います。ただし日本円が極端に割安な水準を持続させています。リスクオフ局面の際には、大きく上昇する可能性があり、注意が必要になるのかもしれません。



| 経済データ | 11:30 | comments(0) | - |

日本円から見た、リスクオフ時の為替の動き

リスクオフ時の為替の動きについてです。
今月初旬は、ギリシャ・中国の問題を機に、金融市場はリスクオフ局面でした。こういった局面では、円は円高に進行するのが通例になっています。一般的に「安全通貨としての円が買われた」という表現がなされますが、抽象的です。もう少し具体的に見ていきたいと思います。


円が高くなる理由として、単純な新興国からの資金の回帰以外に、とりあえず二つ考えられます。

ひとつはアメリカ国債金利の低下です。リスクオフ局面では、アメリカ株が売られ、代わりに国債が買われます。そのため、国債金利が低下し、日米間での金利差が縮まります。そのため、ドルが売られ、円が買われることになります。

もうひとつは、海外投資家による日本株の売却です。世界的なリスクオフでは、日本株も売られることになります。日本の株式市場は、海外投資家の比率が高く、株価指数も、この海外勢の影響が大きくなります。海外投資家は、ドル建てや現地通貨建てで株式を購入を行っています。そのため、株式購入時には、為替ヘッジとして円が売られ、売却時には円が買われることになります。

特に、このふたつ目は規模が大きいため、為替の動きを予想するためには、株式市場の動きには注目が必要となります。為替が企業業績を通じて株式市場に影響を与えると同時に、株式市場も為替に影響を与える存在になっているのです。

また、これらの関連は円だけではなく、ユーロでも同様に見られるのかもしれません。ギリシャ危機を受け、ユーロ圏の株価は一時、大きく下落しましたが、このときユーロは下落しませんでした。株式の売却時に、ユーロが為替ヘッジとして買われたと推測できます。


ギリシャ・中国の問題も落ち着きを見せ、相場もリスクオン局面の様相を見せております。しかし、足元では資源市場を中心に、潜在的なリスクが高まっていると感じます。次のリスクオフ局面の時、円がユーロがどのような動きになるのか、注目していきたいと思います。



| コラム | 06:52 | comments(0) | - |

実質金利2015年7月

各国の実質金利2015年7月
実質金利の算出には、本来は期待インフレ率を使用しますが、入手ししづらいデータのため、インフレ率で代用しています。

計算式
 ( 実質金利 ) = ( 政策金利 ) − ( インフレ率 )

・ アジア・オセアニア?実質金利?
   日本?-0.50量的緩和?
   オーストラリア?0.50?
   ニュージーランド?2.70?
    中国?3.45?
   シンガポール??----?
????
・ ヨーロッパ・その他???
   ユーロ?-0.15量的緩和?
   イギリス?0.50?
   スイス?-0.25?
   スウェーデン?0.05量的緩和?
   ノルウェー?-1.60?
   ロシア?-3.80?
   ポーランド?2.30?
   ハンガリー?0.75?
   トルコ?0.30?
   南アフリカ?1.30?
????
・ 北アメリカ・中南米???
   アメリカ??0.15?
   カナダ??-0.50?
   ブラジル??4.86?
   メキシコ??0.13?




| 経済データ | 23:18 | comments(0) | - |

貴金属価格下落中

先月中旬頃から、ギリシャ、中国経済とリスクオフ要因が連続し、為替市場を賑わせましたが、直近では沈静化。市場は落ち着いた展開になっています。各国の株価指数などを見る限り、どちらかといえば、リスクオンの相場環境になっていると思われます。

その様な相場環境の中で、コモデティの価格が下落しています。
原油価格の下落も大きいですが、特に目立つのは貴金属です。先月末のリスクオフ相場で、金、銀、プラチナ価格の下落が始まり、今月に入ってから、下落幅を広げています。各金属共に、昨日、本日と下落が続き、過去数年の最低価格を更新しています。非常に弱い相場展開です。
直近の下落は、中国における金準備が、予想より少なかったことが原因といわれていますが、根底には、アメリカの利上げの影響が考えられます。インカムゲインを生まない貴金属は、アメリカ国債の金利に影響を受けやすいのでしょう。
実需面では、新興国の需要が落ち込んでいると想像されています。金の輸入は、中国とインドが大きなウエイトを占めますが、インドは輸入量を規制中。中国は経済の低迷の影響で、輸入が減っている可能性があります。他の貴金属も、宝飾品などへの需要が大きいのですが、新興国の景気低迷のためか需要が落ち込んでいると思われます。

その他にも、アルミニウムや銅も大きく下落中です。これらは主に工業用の金属で、投機筋の影響を受けにくい金属です。リーマンショック後は、新興国の需要に支えられてきましたが、この実需が減少し、価格に影響を与えていると思われます。


ギリシャ、中国をメインにした相場イベントは終了し、これからはアメリカの利上げを意識した相場環境になりそうです。その中で、コモデティ価格は大きな影響を受けそうです。
輸出国は、南アフリカ、ロシア、カナダ、ブラジルなど少数となっています。これらの国の通貨がどのような動きになるのか、注意していく必要がありそうです。

| コラム | 21:43 | comments(0) | - |
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