KAWASE BIIKI

黒田発言をどう見るか

特に何も無い日かなと思っていたので、急にいろいろと動き始めて驚いております→→→

黒田氏の発言ですが、とりあえずは素直に円高けん制と受け取ろうかなと思います。口先介入とまでは言うのは厳しいと思いますが、たまたま出てしまった文言というよりかは、為替市場に対してメッセージを伝えたと考えたほうが自然のような気がします。今回は、実質実効為替レートの話を持ち出したりしていたので、日銀内部でも現在の日本円について、何らかの問題がある水準であると考えていたと推測できます。黒田総裁が自ら発言したことで、日銀発信での、これ以上の(実質実効ベースでの)円安誘導は、事実上できなくなったのと考えてよいと思われます。今後の金融政策に影響を与えそうです。

個人的には、最近の日本円の動きについて、ちょっと読みづらい、苦手としていたところがあったのですが、これでだいぶ分かりやすくなってよかったかなと思っています。

今回の発言に関する他通貨の動きですが、全体的には円高方向になっております、ただアメリカドルほどは下落していないようです。発言内容を考えると、ドルだけが大きく下落するのは、理に適いませんが、突然のイベントだったため、動きづらいのかもしれません。新興国通貨も対円での値下げ幅はまちまちのようで、対ドルでは大幅に上昇した通貨もあります。

なにか突然不安定になったような為替相場環境、これからの動きを注意する必要がありそうです。


| コラム | 22:51 | comments(0) | - |

実質実効為替レートのリーマンショック時との比較

リーマンショック直後の実質実効為替レートと最新の実質実効為替レートを比較してみました。
大変取り扱いの難しい指標になりますが、通貨危機時の為替の動きを考える上で参考になると思います。

*リーマンショック直後の最低値は、それぞれの国で、2008年11月から2009年3月までの期間内での最低値を使用しました。
 実質実効為替レートは1994年1月〜2015年5月までの平均値を100としています。


☆実質実効為替レート
?
リーマンショック
直後の最低値

2015年5月

差分
【アジア・オセアニア】???
  日本
96.41
69.56   -26.85
  オーストラリア87.61107.76  20.15
  ニュージーランド82.61116.5533.95
  中国108.51137.8429.34
  シンガポール96.42112.7016.29
????
【ヨーロッパ・その他】???
  ユーロ圏101.8186.26?-15.55
  イギリス80.7098.01?17.31
  スイス94.65114.78?20.12
  スウェーデン82.3984.822.43
  ノルウェー91.3291.02?-0.30
  ロシア105.26112.57?7.31
  ハンガリー104.03103.54?-0.49
  トルコ107.47106.48?-0.99
  南アフリカ73.9582.40?8.45
????
【北米・中南米】???
  アメリカ98.12101.413.29
  カナダ96.9998.55?1.56
  ブラジル88.6997.31?8.62
  メキシコ84.3590.80?6.45


注目はアジアオセアニア地域でしょうか、日本以外の国で大幅に上昇しています。中国の上昇と、中国からの投資が活発な地域で高い値になっていると考えられます、主要通貨を見ると。アメリカ、イギリス、スイスは高い値になっているのに対して、日本とユーロ圏は、量的緩和の影響で大幅に下落しているのが分かります。新興国はどうみたらいいのか難しいですが、すでにある程度の調整が進んでいる国が多いといっていいと思います。ただ下落の余地はありそうです。

リーマンショックでは、新興国を中心に通貨が下落しました。上昇したのは安全通貨といわれた、日本円、アメリカドル、スイスフランです。
このときはアメリカも利下げをしましたが、それでも各国から資本が引き上げられました。今回は日本や欧州では緩和政策が続きそうですが、アメリカが利上げをするという局面です。すべての通貨でどのような動きになるのか注目です。


データ元 BIS


| 経済データ | 23:27 | comments(0) | - |

フラジャイル・ファイブの最近の経済状況

アメリカの利上げがとりだたされていますが、新興国、特にフラジャイルファイブと呼ばれた通貨の下落が懸念されます。

フラジャイルファイブとは、経常赤字水準が高く、資本の引き上げに対して脆弱な通貨を持つ新興国の総称で、「ブラジル・インドネシア・インド・トルコ・南アフリカ」を指します。テーパリングが始まった時期に、通貨が大きく下落したことで話題になったので、覚えている方も多いと思います。

ではそのフラジャイルファイブ、現在の経済状態はどうなっているでしょうか。

直近の指標です。
?
実質実効
為替レート
経常収支
GDP比
インフレ率?失業率?
ブラジル97.3?-4.17%?8.17%6.40%??
インドネシア101.2?-2.95%7.15%5.94%??
インド97.7?-1.70%?4.87%4.90%??
トルコ106.5?-5.70%?8.09%11.20%??
南アフリカ?82.4?-5.40%?4.50%26.40%??

全体的には相変わらず脆弱ですが、新興国としては標準的で、特徴的な弱さがあるようには感じません。経済発展が進んでいるためか、インドは特に悪くない値ではないでしょうか。南アフリカは、相変わらずの失業率で・・・成長していないような気さえします。ブラジル・インドネシアは想像していた数値よりは、いい感じです。一番注意しなければならないのはトルコでしょうか。トルコリラは大きな下落が発生する可能性が他の通貨よりも少し高いのかもしれません。

リーマンショック時には、新興国だけでなく、オーストラリア、ニュージーランド、カナダといった先進資源国、イギリスやスウェーデンでも通貨が大きく下落しました。アメリカの利上げ自体は経済危機ではないですが、アメリカドルが大きく上昇局面では、逆方向に動く、大きく下落する通貨も必要になります。現在どの通貨が強すぎるのか、通貨の流れはどうなっているのか、冷静に調べていきたいと思います。


*実効為替レートは、1994年からの平均値を100とする。

 データ元 「TRADING ECONOMICS」
        「BIS」



| コラム | 23:35 | comments(0) | - |

各国でGDPがマイナス成長に

2015年1-3月期のGDP値が出揃ってきました。
ざっと見た感じですが、不況期とは思いませんが、マイナス成長の国多い印象です。
代表的なところだけですが、

アメリカ?-0.7%?
カナダ-0.1%?
スイス?-0.2%?
ブラジル?
-0.2%

こんな感じです。一つずつ見ていきましょう。

まずアメリカですが、-0.7%と大幅なマイナスです。季節要因、天候不順、港湾ストライキ、シェール関連の設備投資の減少、そしてドル高、といろいろ言われていますが、基本的に経済が不調だったのかなと思います。直近では、雇用、住宅関連に、一部強めの指標も出て、今期さらに下落とは考えづらいですが、どうでしょうか。利上げの時期に影響を与えそうです。

カナダは、資源関連の下落が大きかったようです、一月に急遽利下げをし、その後の各国の利下げラッシュの先頭を走った形でしたが、その後も、鉄鋼石、原油、木材、金と下落を続けており、経済はまだ弱いようです。アメリカ経済停滞の影響もあったかもしれません。通貨は下がり気味でしたが、こちらは直近やや持ち直している印象です。

スイス経済については先日もすこし書きましたが、やはり通貨高の影響が出てきているのかなといった印象です。ギリシャ情勢にもよりますが、今後さらにフラン高が進行するようですと、中央銀行による何らかの措置が行われるのではないかと予想します。ただ、あまり有効な手は打ちにくいかもしれませんが。

ブラジル経済は厳しさが増しています。高インフレ→政策金利切り上げ→経済停滞→通貨安→インフレ悪化と悪循環状態です。経済政策の失敗もありますが、資源安が続く限りは、低迷が続きそうです。失業率も上昇中で、回復はすこし遅いと思われます。



各国不振の理由はさまざまですが、共通点を探すとすれば、資源価格下落の影響が大きいかなと思われます。ただ資源を輸入する側で、それほど成長が伸びた様子も無いのでなんともいえませんが、輸出する側は大変のようです。
今年はこれからすぐに、ギリシャ問題や、アメリカの利上げと、大きくて派手なイベントが連続しますが、資源価格の動向も、経済を占ううえで、大きなキーワードになるのかもしれません。


| コラム | 22:17 | comments(1) | - |

各国の対中国輸出割合 Ver2

先日の「各国の対中輸出の割合」の記事に対中輸出額のGDP比を追加しました。
これで、中国経済停滞の影響が、見えてくるかと思います。

計算式
(輸出に占める中国輸出の割合) = (対中輸出額) / (輸出額)
(対中輸出額対GDP比)      = (対中輸出額) / (GDP)

当たり前ですが、傾向は特に変わりません。アジアオセアニアが高く。その他の地域では低い傾向です。シンガポールの値が大変なことになっていますが、どうでしょうか、計算間違えたかなぁ。
他の地域では、南アフリカ・ブラジル・ロシアの順に高くなっております。

注意しなくてはいけないのは、中国経済が停滞したからといって、必ずしも輸入が減少するわけではないような気がするということでしょうか、各国の輸出品目にも注意が必要かもしれません。


国名

輸出に占める
中国輸出の割合
対中輸出額
対GDP比
【アジア・オセアニア】???
  日本201318.3%2.27%
  オーストラリア201229.5%3.29%
  ニュージーランド201214.9%2.01%
  シンガポール201311.0%?9.95%
????
【ヨーロッパ・その他】???
  EU圏20133.2%?0.73%
  イギリス20133.3%?0.58%
  スイス20133.7%?1.00%
  スウェーデン--------%?---%
  ノルウェー--------%?---%
  ロシア20136.8%?1.38%
  ハンガリー20121.8%?0.91%
  トルコ20121.9%?0.23%
  南アフリカ201314.3%?2.77%
【北米・中南米】???
  アメリカ20137.7%0.59%
  カナダ20134.6%?0.87%
  ブラジル201319.0%?1.66%
  メキシコ20131.7%?0.37%


データ元
 「ジェトロ」
 「TRADING ECONOMICS」



| 経済データ | 22:42 | comments(0) | - |

各国の対中輸出割合

そろそろ中国の経済停滞の、他国への影響を考える時期かなと思いまして、
それぞれの国での輸出金額の中で、中国向け輸出が占める割合を調べてみました。

アジア・オセアニアで高く、ヨーロッパでは低いなど、おおよそは想定通りでしたが、高い国と低い国の差が大きいと感じました。南アフリカが高いのは、金やプラチナなどの貴金属、ブラジルは鉄鉱石と大豆の輸出と思われます。

現在は資源価格が下落したため、資源国では、現在は割合が減っているかもしれませんが、全体的な傾向はつかめると思います。
対GDPでのデータも欲しいですね・・・・・・調べるか・・・・。


【アジア・オセアニア】
  日本201318.3%
  オーストラリア201229.5%
  ニュージーランド201214.9%
  シンガポール201311.0%

【ヨーロッパその他】
  EU圏20133.2%
  イギリス20133.3%
  スイス20133.7%
  スウェーデン--------%
  ノルウェー--------%
  ロシア20136.8%
  ハンガリー20121.8%
  トルコ20121.9%
  南アフリカ201314.3%

【北米・中南米】
  アメリカ20137.7%
  カナダ20134.6%
  ブラジル201319.0%
  メキシコ20131.7%


データ元 「ジェトロ」


| 経済データ | 00:00 | comments(0) | - |

スイス経済とフラン高

一月にユーロに対しての無制限為替介入を終わらせたスイスですが、実質実効レートのが114.8(1994年〜の平均が100)と高い値になっております。あれから4ヶ月が経ちましたが、スイス経済はどうなっているのでしょうか。


主な経済統計
?消費者物価指数CPI?4月?前年同月比?−0.2%
?生産者輸入価格?4月?前月比?−2.1%
?実質売上高?3月?前年同月比?−2.8%
?失業率?4月?3.3%
?貿易収支?3月?25.2億フラン


やはり物価関連の指標は弱めの値になっております。資源価格下落の影響もあるのかもしれませんが、低い水準です。失業率、貿易収支は特に大きな変化はなく、ここ数年のスイスの通常値です。一点気になるのが、実質売上高です、通貨高局面では、物価下落のため、実質の小売の売り上げは、伸びるかなと思いましたが、落ち込んでおります。下落幅もなかなか大きいものです。通貨高のため、外国人観光客によインバウンド消費が減っているのかもしれません。

GDP成長率が来週発表ため、なんとも言いがたいですが、全体的に見て、まあまあの経済状態といってよいと思います。スイスフラン高の影響は今のところ軽微のようです。


スイス中央銀行の政策金利はー1.25%と非常に低い世界最低水準で、実質金利を考えてもマイナス水準です。これが通貨に影響を与えて、もう少し位はフラン安になってもいい感じはしますが、どうでしょうか。
ヨーロッパでは、またすぐにギリシャ問題が本格化してくることが予想され、ヨーロッパの通貨は不安定になる時期です。危機に強いフランは上昇するのか、ユーロにつられて下落するのか、注目していきたいと思います。



| コラム | 01:40 | comments(0) | - |
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