KAWASE BIIKI

日本円(JPY) 為替予想 2015年後半

というわけで、2015年後半の為替予想です。

【JPY】 
・総評 大きくは動かない
日本円ですが、予想が難しいです。以前のように量的緩和確実、円安確実な状況ではないため、上下とも動く可能性はあります。水準的には、値上がりのほうが確率は高そうですが、値上がりする理由もないため、あまり動かない、動きにくい状態が続くと考えています。


まず、値下がり要因ですが、アメリカの利上げ行われた場合や、ヨーロッパ経済が好調に推移した場合に、相対的に値下がりすることが想定されます。また、日銀が更なる量的緩和をすれば、当然、値下がりの可能性が高いと思われます。黒田さんの発言によって可能性は下がったと思われますが、これについては、しばらくは考慮に入れる必要が続きそうです

値上がり要因ですが、ギリシャ問題がこじれたり、中国を中心としたアジア経済が低迷し、世界的なリスクオフ状態になった場合は、値上がりを考えるべきだと思います。また、アメリカが利上げができなかったり、大幅に遅れるような経済状況になったときには、大幅に調整が進む可能性があり注意が必要です。国内的には、可能性は低いでしょうが、インフレ率が急激に高くなり、2%の物価上昇が達成できそうになれば、大幅に値上がりすると思われます。実質実効為替レートが低水準であるため、値上げが起こった場合は大きな動きになりそうです。


★注目すべき指標
 ・実質実効為替レート
 ・CPI(インフレ率)


★トレードアイデア
ロングでも、ショートでもあまり保有したくない状況です。

ドル円(USD/JPY)は、上昇する可能性はありますが、たとえ1ドル130円まで上昇したとしても、7%程度の上昇ですから、利幅は少なくなりそうです。それよりも、130円程度まで上がった後にショートする機会を探ったほうが、より面白味がある様な気がしています。

中国経済の低迷が顕著になるようですと、オセアニア通貨(AUD/JPY,NZD/JPY)のショートが確実性が高そうです。年初ほどの旨みは無いと思われますが、ある程度は動くのではないでしょうか。

ギリシャ問題次第ですが、スイスフラン(CHF/JPY)のショートは、楽しみがありそうです。


| 為替予想 2015後 | 18:43 | comments(0) | - |

前門のギリシャ 後門の中国

不安定な相場のまま週末を迎えましたが、休日中にニュースもあり、週明けの相場は大きく動いています。
動かしているのは、もちろんギリシャ、そして中国の話題です。


まずはギリシャ問題の反応です。
東京市場では、ユーロのほかポーランドズロチ、ハンガリーフォリントといったヨーロッパ系新興国がが大きく下落しましたが、その後は落ち着いた動きになりました。
現在ニューヨーク市場に入りまして、ユーロドルが先週末とそれほど変わらない値まで戻してきております。新興国でも対ドルで最大1%程度の下落と、リスクオフ局面ではありますが、危険というほどの動きにはなっていない様子です。これ以上ギリシャの危機が悪化する要因もなさそうなので、為替が大きく動くことはないのではないでしょうか。またスイス中銀が為替介入したと発表していますが、特に目立った動きにはなっていないようです。

ギリシャ問題については、しばらくは不安定な動きは続きそうですが、国民投票の開催が決定し、国民がトロイカ側からの提案を呑むことが確実とされています。その後の支援が再開されるという流れも、すでにできつつあると思われます。政治的な問題が起こる可能性はありますが、1,2週間ほどで、日程が読めるようになり、事態は安定する方向に向かうと思われます。

本日の動きについてですが、まったく想定内の動きといいますか、株価も含めて、落ち着いた相場だったのではないでしょうか。。ヨーロッパの株価が数パーセント程度の下落で収まったのが、この安定をもたらしたと思われます。日本で感じているいるよりも、現地では危機という雰囲気は薄いのかもしれません。


そして中国ですが、こちらの方が少し深刻な様子が伺えます。
中国人民銀行は、週末に政策金利と一部預金準備率を引き下げましたが、本日も上海・深セン市場共に、株価は下落しました。本日は世界的に株価は下落していますが、その中でも特に大きな動きになっています。

人民銀行の動きは定常的ではありますが、少し焦りが見られるような気もします。
今後のことはなんとも言えませんが、注意が必要な状態が続きそうです。株価低下が続くようですと、人民銀行の動きが忙しくなりそうです。

為替につきましては、中国関連で特に目立った動きは無かったですが、しばらくは中国に関連が深い、オセアニア通貨に注目です。中国人民元については、特に何もありません。当局からのアナウンスが欲しいところです。



それにしてもタイミングとういうものです。ギリシャも中国も今年の重要なテーマでしたが、同じ時期に危機を迎えなくてもいいのではないのかなと思います。ギリシャは本当は4月が結末の予定でしたし、中国の危機の顕在化は来年以降だと考えていました。時期を見極めるのは本当に難しいですね。
今日で、2015年も半年を過ぎますが、年後半にはアメリカの利上げが待ち受けている予定です。その頃には、現在の危機が終焉していることを期待しています。




年後半ということで、明日からは、2015年後半の為替予測を行います。19通貨を予定しています。


| コラム | 00:19 | comments(0) | - |

上海総合指数7.4%下落  オセアニア通貨は注意が必要

正直ちょっと驚きました。
本日、上海総合指数が7.4%と大幅に下落しました。
先週の高値からの値下げ幅は20%近くになり、短期的には調整ではなく、下落局面になりました。B株指数、深セン創業板(新興企業市場)も大幅安になり、中国全土で全面安の状態です。

2割の下落というのは、ここまでの急激な上昇を考えると、調整の範囲の可能性もありますが、中国経済全般が新たな局面に入った可能性もあります。
バリュエーション面で割高が指摘されていたため、下落の可能性はとりだたされていましたが、本日下落した理由にについては、特に分かっていません。投機系の資金の償還が始まる時期だったとか、政府による緩和政策が遅れそうなどの話もありますが、正確な情報はつかめませんでした。大きなニュースも無かったように思います。


為替市場で影響が大きくなりそうなのは、オセアニア通貨です。
オーストラリア、ニュージーランドともに、中国経済への依存性が高く、輸出が減少する可能性があります。また、住宅価格が中国などのアジアからの投資で支えられているため、この投資が減少した場合の、住宅市場や、内需産業への影響が懸念されます。物価下落が進めば、利下げの可能性も高まりそうです。

本日の上海市場閉場後の、オーストラリアドル・ニュージーランドドルは、対ドルでおよそ1%づつ下落しています。暴落したわけではないですが、とりあえずの反応を示したという形です。ギリシャ問題の影響も重なり、相場全体がデリケートな時期です、今後の動きも注目されます。
なお、中国人民元に関しましては、特に新しい情報は無いため、しばらくは米ドルペッグを続けるものと思われます。


ギリシャ問題に集中したい大切な時期ですが、市場には関係ないことのようです。
中国株式市場に、一層の警戒が必要な時期が来たようです。



| コラム | 22:57 | comments(0) | - |

各国の対アメリカ輸出比率 対EU輸出比率

ギリシャ問題が動きつつあるようですが、アメリカの利上げもあり、年後半のテーマはアメリカ、ヨーロッパといった世界の主要国になりそうです。
そこで、月並みですが、各国の対アメリカ輸出、対EU圏への輸出割合を調べました。
為替の動きを予測する参考になればよいのですが・・・・。



国名

輸出額に占める
アメリカへの輸出の割合
輸出額に占める
EUへの輸出の割合
【アジア・オセアニア】???
  日本201319.8%10.4%
  オーストラリア20124.8%6.9%
  ニュージーランド20129.2%-------
  中国201316.7%15.3%
  シンガポール20132.2%9.0%
????
【ヨーロッパ・その他】???
  EU圏20136.3%-------
  イギリス201311.4%43.0%
  スイス201311.1%55.5%
  スウェーデン------------------
  ノルウェー------------------
  ロシア------------------
  ポーランド20122.0%75.8%
  ハンガリー20122.4%76.0%
  トルコ20123.7%38.8%
  南アフリカ20138.3%------
????
【北米・中南米】???
  アメリカ2013------16.6%
  カナダ201376.6%7.0%
  ブラジル201310.2%------
  メキシコ201378.8%5.2%

データ元
 「ジェトロ」


見ての通りです。結局は貿易というのは近隣諸国で行われていることが、改めて確認できました・・・・・それだけかな・・・・・・。


| 経済データ | 23:04 | comments(0) | - |

人民元切り下げと中国経済のトリレンマ

本日、上海市場は休場ですが、先週は上海総合株価指数が3日連続の下落、下げ幅は合計で10%を超え、調整局面入りを意識させました。株価の下落はとりあえずは一時的なものと思われますが、今週の動きによっては、大きな流れにもなりそうです。

そのような不安定な動きを見せる中国経済ですが、このブログでの注目は人民元の動きです。
今回はすこし変わった観点から、人民元の動きを予測してみます。


現在の中国の経済政策目標に次のようなものがあります。

1.人民元の米ドルへの追従
2.(名目)最低賃金の上昇
3.低い失業率

この3つの政策ですが、長期的に見た場合、トリレンマになっており、3つ同時には達成できません。

1.2を選択すれば、いずれ競争力を失い、失業率は上昇、3が達成ができなくなります。
1.3を選択するには競争力を維持のために賃金上昇を抑える必要があり、2をあきらめる必要があります。
2.3を選択した場合は、産業競争力を維持するには人民元の下落が必要になり、1を放棄することになります。
 (実は、生産性の向上、米ドルが下落などの条件がそろえば、1.2.3.は同時に達成できますが長期的に見た場合はどこかの時点で同様の問題に直面します。)

どれを選択するのかは、中国政府の優先順位により決まりますが、絶対に選択できないのは3「低い失業率」の放棄です。失業者の増加は、経済成長を阻害するだけではなく、社会の安定を失わせる可能性があります。不安定な社会で、不満が共産党に向かい、共産党政権の維持に支障がですの可能性が高まることは、中国政府として、絶対に容認できないと思われます。
次に1か2かは、難しいのですが、2の「最低賃金の上昇」を放棄してしますと、やはり社会不満が高まりやすくなるほか、対内的に景気の減速感を高めてしまうため難しいのではないでしょうか。また、経済構造を外需から内需へと転換させるためにも、賃金上昇は必要なため、これは続ける可能性が高そうです。
すると消去法的になってしまいましたが、1の「人民元のドルへの追従」を放棄する可能性が高そうです。もちろん通貨の下落はインフレを誘発するため、これも国民の不満を高めそうですが、賃金が安定して上昇している局面では、そう大きな不満にはならないのではないでしょうか。

ということで強引ですが、これで、「対米ドルで人民元の切り下げを行う可能性は高い」という予想になります。
もちろんこの予想だけでは、タイミングも下げ幅も分かりませんし、実際の経済運営では、最低賃金の上げ幅を抑えつつ、人民元の市場開放を進めていくような、1と2の放棄の中間のようなことが考えられます。
変わった予想でしたが、大きくは間違えていないのではないでしょうか。面白い考え方だなと思っていただけると幸いです。


資源価格下落の影響を受け、中国の輸入が大幅に減少したため、輸出が減少中にもかかわらず、経常収支は黒字幅が拡大しています。理論上では、黒字が続く限りは今回のトリレンマが表面化することはありません。ただ資本が流出しているため、外貨準備を利用しての通貨維持政策が続いているようです。
管理されている通貨というのは、短期的には管理どおりに動くため、予想の必要はありませんが、長期的には、実質的な調整が必要なため、予想する余地があります。スイスフランのように突然大きく動き出すことがあり、こういった通貨を保有するには高いリスクが伴います。しかしそういった動きは、大きな利益を得るためのチャンスでもあります。そのチャンスを逃さないためにも、大きな動きには、注意は払っておきたいものです。



| コラム | 23:08 | comments(0) | - |

ブラジル金融政策の特異性

新興国の政治・経済はそれぞれ特徴があり、いろいろと面白いのですが、その中でもブラジルの金融政策が独自の路線へと向かっています。

ブラジルの金融政策の特徴は、13.25%という高い政策金利です。インフレ率は8.47%ですので実質金利(※)は4%台後半という大きな値となります。他の主要国の実質金利が、日本も含めマイナスの場合が多いと考えると、この金利がどれだけ高いかが分かるかと思います。

この金融政策の目的は、通貨価値を安定させ、高いインフレ率を抑えることです。通貨レアルは3月に大きく下落した後、反発しており、インフレ率はまだ高い状態が続いていますが、為替を安定させるという意味では、一定の効果を挙げていると思われます。しかし、市中金利も高くなるため、国内経済にはやはり悪い影響を与えていて、GDP成長率はマイナスで、失業率も今年に入ってから上昇しています。
長い間高インフレで悩まされていたということもありますが、多くの国で経済成長を優先させている中で、国内のインフレ率をここまで優先している国は異例です。

ブラジル経済は、鉱物・食品・木材・エネルギーといった資源だけでなく、自動車や航空機、化学、薬品、など産業が多彩で、新興国の中では、先進国に近い経済体制が出来上がりそうな気配がもありました。しかし、鉄鋼石価格が下落し始めた2012年ごろから、不安定な兆しを見せ始め、昨年のワールドカップ開催時には、公共事業も減り始めたためか、すでに不況入りが噂されていました。また政権が格差縮小対策として、最低賃金を大きく引き上げたことも雇用に影響を与えたと思われます。

インフレ率は、現在も政府目標を上回っており、今後も政策金利は上昇すると予想されています。実質金利の上昇は、一般に為替には好局面で、買い推奨といえるところなのかもしれません。しかし経済の状況を考えると、資本が海外に流出し、株価の下落と共に、通貨も下落しやすいと考えられ、投資しにくい局面とも考えられます。
もともとボラティリティが大きい新興国通貨ですが、今後も難しい動きになりそうな気がします。


(※)実質金利の算定には、本来は期待インフレ率を使用しますが、ここでは手に入りやすい直近のインフレ率を使用しています。

| コラム | 19:43 | comments(0) | - |

各国の実質実効為替レート 2015年5月

各国の実質実効為替レート 2015年5月

・ アジア・オセアニア??(先月比)
??    日本円【JPY】???? ?67.5?-1.0?
??    オーストラリアドル【AUD】109.61.7?
??    ニュージーランドドル【NZD】112.4-4.3?
??    中国人民元【CHY】136.2-1.9?
??    シンガポールドル【SGD】113.50.9?
????
・ ヨーロッパ・その他???
??    ユーロ【EUR】88.41.9?
??    イギリスポンド【GBP】99.41.4?
??    スイスフラン【CHF】116.11.3?
??    スウェーデンクローナ【SEK】86.11.2?
??    ノルウェークローネ【NOK】93.22.1?
??    ロシアルーブル【RUB】115.42.9?
??    ポーランドズロチ【PLN】102.2-0.9?
??    ハンガリーフォリント【HUF】102.8-0.8?
??    トルコリラ【TRY】?105.4-1.1?
??    南アフリカランド【ZAR】81.9-1.0?
????
・ 北アメリカ・中南米???
??    アメリカドル【USA】100.8-0.7?
??    カナダドル【CAD】99.61.4?
??    ブラジルレアル【BRL】96.6-0.8?
??    メキシコペソ【MXN】89.4-1.6?

データ期間 1994年1月〜
データ期間中の平均値を100とする。
元データはBIS国際決済銀行から。


5月はニュージーランドドルが大きく下落しました。
ヨーロッパ先進国は総じて堅調。
新興国がそろって下落しています。メキシコは90を割り込みました。
日本円は黒田総裁の発言(実質実効レートで考えると、これ以上は下がらないという内容)がありました。
今後どのような動きになるか注目です。



*前月分(4月)の実質実効為替レートのブログ記事は誤って削除してしまいました・・・・・。

| 実質実効為替レート | 10:01 | comments(0) | - |
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