KAWASE BIIKI

スイス中央銀行 スイスフランの上限撤廃

先ほど、スイス中央銀行はスイスフランの上限を撤廃しました。スイスフランはユーロに対して「1EUR=1.2CHF」という上限が設けられていましたがこれを撤廃したことになります。また政策金利マイナス0.75%に引き下げております。

これを受けて、スイスフランが急上昇、ユーロに対して前日比15%高という水準で推移しております。

理由としましては、定かではありませんが、ECBが、今月の金融政策決定会合で量的緩和政策をアナウンスするとの憶測が広まっており、この緩和政策に巻き込まれたくないということだと思われます。

スイスは物価の下落が進んでおり、今回の措置で、物価下落がさらに進む可能性が高まります。スイス中銀は緩和政策ではなく、マイナス金利で物価下落に対応しておりましたが、これをさらに進めた形だと思われます。

| コラム | 20:03 | comments(0) | - |

各国の実質金利

各国の金融政策を図る上で重要な実質金利の一覧です。
一般に実質金利が上がると、通貨は上昇し、実質金利が低下すると、通貨は下落します。

「実質金利」 = 「政策金利」 − 「インフレ率」 


日本 −2.3%
中国  3.7%
オーストラリア 0.2%
ニュージーランド 2.5%

ユーロ圏 0.25%
イギリス −0.5%
スイス 0.3%
ノルウェー −0.6%
スウェーデン 0.2%

ロシア 5.8%
ハンガリー 2.8%
ポーランド 2.6%
トルコ  0.08%
南アフリカ −0.08%

アメリカ −1.05%
カナダ  −1%
メキシコ ー1.08%
ブラジル 5.34%


データは以下のサイトからのものを計算した。
「TRADING ECONOMICS」
「政策金利の推移」



| 経済データ | 09:56 | comments(0) | - |

ロシアの外貨準備と対外債務

ロシアルーブルは昨年末、一時1ドル=85ルーブルと過去最安値をつけ、主要国で最も弱い通貨となりました。その後1ドル=60ドル程度まで値を戻しましたが、年明けも不安定な動きを見せており、注意が必要な状態が続いております。そこで今回はこのロシアルーブルの動きにも直結するロシアの外貨準備についてです。

ロシアの外貨準備は、2013年末で5090億ドル(およそ60兆円)で世界5位の規模でした。これが2014年12月までに、3880億ドルとおよそ24%減少しております。ひとつの原因としましては、ロシアルーブルを支えるための為替介入資金への支出ですが、もうひとつの原因は、民間部門の対外債務解消のための事業資金支援への支出です。
ロシアは長い間、経常収支の黒字が続いており、公的部門における債務は少なく、対外債務も問題のない水準です。しかし問題は民間部門で、民間部門には6000億ドルにものぼる対外債務があると試算されおります。民間企業なので、本来は公的債務と切り離して考えるべきですが、なかなかそうは行きません。民間部門で債務が大きいのは、エネルギーや鉱業といったロシア経済の基盤を支える企業で、実は半官半民の企業です。ロシア企業は制裁により欧米の銀行からは新たな借り換えができないため、ロシア政府がこうした企業のデフォルトは避け、事業を継続させるには、外貨準備を使用した支援が必要となっており、そしてこの支援に、毎月およそ100億ドル程度の外貨が必要となっているということです。

ロシア政府が、こうした企業を支援するにはおよそ3300億ドルが必要となるそうですので、ルーブル高を支える資金は残りわずかです。また、外貨準備の一部はもともと年金用の準備資金であるので使用できないといった話があったり、景気対応策として外貨準備を使いたいといった、政府からの要望が出ているといった話もあるので、実際に使える額は大幅に少ないようです。

今年中に外貨準備の(事実上の)枯渇が問題になる可能性は高く、そのときにロシアルーブルはまた大きく下落する可能性は高そうです。そしてロシア経済はさらに苦境に立たされることになりそうです。

データ等参考
「世界経済のネタ帳」
「今日の覚書、集めてみました」


| コラム | 12:37 | comments(0) | - |

中国経済の現在地

中国経済の停滞が叫ばれて久しいですが、現在のところ、崩壊や暴落といったニュースは聞こえません。上海株式市場は昨年後半大きく上昇し、悲観派を驚かせました。不良債権の規模が巨大のため、何の調整も無く中国経済が立ち直ることは難しいでしょう。ソフトランディングという言葉は今回のバブルでは妄言であり幻です。現在どのような中国経済はどのような状態なのか、次に大きな動きがあるのは何時なのか、考えていきます。

2015年経済成長予想 7%台
CPI(消費者物価指数)1.4%(2014.11 前年同月比)
PPI(企業物価指数)−2.7%(2014.11 前年同月比)
政策金利 5.4%

基本データはこんな感じ、PPIがマイナスであるのと、成長率と比べ、物価時上昇率が小さいのが特徴でしょうか、政策金利が高めで緊縮的な金融政策をしているのがわかります。一般的にこの状態が続くと、企業経営が厳しくなってきます。価格低迷から利益が予定ほど出なく、高い金利の借金が返せなくなっている企業が多くなっていると思われます。報道のとおりですと、鉄鋼、鉱物、不動産分野は特に厳しい経営環境のようです。また日本の100円ショップで売られているような、低付加価値の商品を製作する企業も、人件費高騰のため、利益が出にくくなっているようです。

次に、一般的な途上国の経済発展とバブル崩壊のサイクルを考えると、以下のような感じでしょうか。

1、経済成長
2、不動産上昇
3、投機資金の増加
4、不動産バブル
5、賃金(人件費)高騰
6、景気低迷
7、設備過剰
8、不動産価格低下
9、企業倒産増加
10、金融機関の不良債権増加
11、金融機関の倒産

中国経済の現在は8〜10のあたりでしょうか、企業倒産が増え、不良債権も増加、資産価格の下落がこれをさらに悪化させている状態だと思われます。まさに、バブル崩壊真っ只中といった感じです。ただ倒産やデフォルトのニュースを見ても、規模がそれほどでもなく、中国経済そのものに影響を与えるような企業の倒産はこれからのようです。そして、注目は何時「11、金融機関の倒産」が始まるかです。日本のバブル時の、山一證券や、北海道拓殖銀行、アメリカでのAIGやリーマンブラザーズのような、中国バブル崩壊の象徴となる金融機関の破綻が、これからやってくるでしょうし、バブル退治(バブルは崩壊しないと夢を見る人たちをの目を覚まさせる)には必要な作業です。時期としては今年中はまだ難しいかもしれません、中国政府がまだ破綻を認めないでしょう。ただこの状態は長くは持ちません。2016年が相当に危険な年になると予想されます。
中国ではいままで、バブルが崩壊しそうになると、政府が支出を増やしたり、緩和的な金融政策をすることで、バブル崩壊を防いできました。ただそうした姿勢が、更なるバブルを誘発してしまい、巨大な過剰生産設備や、持続不可能な不動産価格を形成してきました。今回、中国政府はバブル退治に本気です。李克強首相以下がかなり強い姿勢でこれに対応しています。バブルの崩壊も一つの成長の過程であると中国人民が気づいた時、この国は先進国に近づくのだと思います。

| コラム | 22:39 | comments(0) | - |

原油の採掘コスト

原油価格下落の影響を調べようと、各国の原油採掘のコストを調べてみました・・・・・・が、あまり精度の高いデータは得られず。国際機関のデータ、論文(?)、個人のブログ、twitter、等々から、適当に拝借。

1バレル毎
中東 3ドル 〜 30ドル 平均 十数ドル
欧州油田 40ドル超
アメリカ シェールオイル 30ドル 〜 120ドル
中南米の海底油田 60ドル 〜  80ドル
カナダ 30ドル シェールサンドは 70ドル超


中東では自噴する油田では超低コスト、自噴油田の割合は少しずつ減少しているようですが、競争力は圧倒的です。アメリカのシェールオイルは、大規模・中規模油田では効率化が進んでいますが、今後どうなるのかは不透明。低効率の小規模油田も多い模様です。注目のロシアに関してはデータが見つけられませんでした。自噴の油田は無い(少ない)ようですので、15ドル〜40ドル程度と予想しております。
今回の暴落で、まず影響を受けるのは海底油田系でしょう。ブラジル・メキシコ・ベネズエラ辺りはかなり厳しいことになりそうです。またカナダのシェールサンドや、豪州・中国などの新たなシェールオイル油田の開発は遅れることになりそうです。


| 経済データ | 17:22 | comments(0) | - |

石油輸入額 石油輸出額 対GDP比

原油価格下落で恩益を受ける国、損失を受ける国のランキングです。
対象は主要国というより、このブログでよく使う国です。

計算式(石油輸入額ー石油輸出額)÷ 名目GDP
データ2013年です。

南アフリカ 6.7%
ハンガリー 3.3%
日本    3.2%
ポーランド 2.9%
ニュージーランド 2.8%
オーストラリア 1.8%
スウェーデン 1.6%
スイス   1.6%
アメリカ 1.5%
トルコ 1.2%
ブラジル 0.8%

メキシコ −2.5%
カナダ −3.0%
ノルウェー −10.1%
ロシア −15.4%

ユーロ圏のデータは・・・・・すいません。

※ 各国のGDP、石油輸入額、石油輸出額のデータは世界経済のネタ帳から。

| 経済データ | 14:56 | comments(0) | - |

2015年 為替相場を動かす重要イベント

今年一年の為替相場を占う上で、忘れてはならない重要イベント等をいくつか紹介。まあ今更なんですけど。

1 米FRBの利上げ
なんといっても、今年最大のイベントは、FRBの利上げでしょう。サブプライムローン問題・リーマンショック以来の政策金利の上昇です。大イベントになりそうです。アメリカの景気は、GDP成長率・失業率を見ても回復局面にあり、利上げは確実です。時期も6月前後の予想に集約されてきており、大きなずれはなさそうです。ここまでは何度も書かれてきたことで、市場も織り込み済み。これからの注目は、その後の政策金利の動き・上昇幅でしょう。今年末には1%、来年末には2%などという予想が出ますと、為替市場に大きなインパクトがありそうです。新興国、特に経常赤字が大きく、先進国からの投資によって支えられてきた通貨には、一段の下落が必要になるのかもしれません。


2 ECBの量的緩和
ドイツの中央銀行メンバーが反対しているため実現できていない、ECBの量的緩和(国債の購入)ですが、
今年前半、早ければ今月にも始まるのではないかという予想も出ております。実現性は、個人的には微妙と考えておりますが、実現すれば大きな動きになりそうです。ユーロだけでなく、イギリスポンド・北欧通貨・東ヨーロッパと大きな影響を受ける国だけでも多岐にわたりそうです。


3 原油価格
ご存知の通り、昨年大きく下落した原油価格ですが。今年もそのトレンドが続いているようです。1/2現在1バレルあたり52ドル台とおよそ5年ぶりの水準です。もちろん問題は、これからの動きです。45ドルや30ドル台まで落ちるとの予測もありますが、30ドル台では利益の出ない油田が多くなるため、長くは続かないでしょう。最安値はいつ・どのくらいの値になるのか、そしてその後どの程度まで回復するのか注目です。
【このブログでよく取り上げる国の中での主な産油国】
ロシア メキシコ ノルウェー イギリス ブラジル カナダ


4 その他の中央銀行の姿勢
FRB・ECBを除く中央銀行の姿勢です。まずは日本、日銀の黒田総裁は、新年の取材で、更なる金融緩和の可能性について語っており、緩和姿勢は崩さないと考えられます。その他に緩和的なのは、スウェーデン・
トルコ中銀でしょうか、またオーストラリア中銀の利下げが予想されています(RBAは利下げしたがってないような印象ですが)。逆に緊縮的なのは、ニュージーランド・ブラジル・ロシア中銀。ニュージーランド中銀とイギリス中銀に利上げが予想されています。ただし、原油価格の影響や米FRB利上げ・中国の経済状況によっては、大きく変わることになりそうです。


5 中国の利下げ・通貨切り下げ
注目の中国経済ですが、年末年始にかけて、小さくない規模の企業のデフォルトの話も伝わってきており、今年は下落傾向が鮮明になりそうです。そこで景気対策として、政策金利の利下げ、人民元の切り下げが噂されております。中国共産党政府は、不良債権処理として、バブル潰し、過剰生産設備の清算を進めており、しばらくは、緊縮的な金融政策は崩さないでしょう。ただ資源価格下落の影響を受けた物価の下落や、米FRB利上げによる人民元の上昇によって、中国政府が想定している以上の緊縮政策になってします可能性があります。


| コラム | 21:05 | comments(0) | - |
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